カツオってどんな魚?
カツオと言えば日本の食卓を代表する魚のひとつですよね。お刺身やたたき、鰹節から出汁などと日本の食卓には欠かせない魚です。
カツオの形態・特徴
カツオは紡錘形の体型をしており、背側が濃い藍色で、腹側は輝く銀白色をしています。
特徴的なのが腹部のストライプ(縦縞)です。
特徴的な腹部の縞模様ですが、実は死後にくっきりと現れる模様であり、生きて泳いでいる時にはこんなにはっきりとは見えません。
逆に生きている時や・興奮時は以下のように4〜10本ほど横縞模様が現れます。船から釣り上げた時や、泳いでいる姿を見る時などは縦縞より横縞のほうが目立つかもしれませんね。
ちなみに魚の縞模様は、頭から尻尾に向かって伸びている縞模様を「縦縞」、背側と腹側を結ぶような縞模様を「横縞」と言うよ。
カツオは、1年で約30センチほどまで成長し、5年ほどで70〜100センチほどまで成長します。
大きなものは体重が10キロ以上となりますが、漁獲量が多いのは50センチ前後ほどのものになります。
カツオの生態
カツオは海水温が15℃から30℃ほどの世界中の熱帯域・温帯域に幅広く分布しています。
日本では主に太平洋側に生息しており、日本海側ではほとんど見かけません。
マグロと同じく高速で泳ぐことを目的とした形状のヒレをしており、群れで行動する肉食の回遊魚です。イワシやアジなどの魚や、甲殻類、その他小魚やプランクトンを食べています。釣りでは活餌としてイワシが使用されたりします。
カツオは黒潮に沿って春から夏に北上し、秋から冬には南下するという季節回遊を行います。
この回遊形態がカツオの旬の要因になっています。
春に北上して日本近海にくるカツオを「初ガツオ」、秋に南下してまた戻って来るカツオを「戻りガツオ」と言うよね。
身がとても赤いカツオですが、カツオは特有な血管構造を持つため、海水温より3〜10℃ほど高い体温をしています。身にはミオグロビンという色素を多く含んでおり、必須アミノ酸や、DHA・EPAも豊富で栄養満点です。
マグロと同じく寝てる時も含めて一日中ずっと泳ぎ続けています。
カツオは警戒心が強く、大型の群れを形成し沿岸から外洋を高速移動しています。
産卵期は一年を通して産卵をしますが、小型のカツオは10月から翌年3月、大型のカツオは4月から9月の夏に産卵すると言われています。
オスメスの区別は外見から判断するのは困難で、さばいた時に卵巣・精巣を確認することで見分けます。
カツオの種類
カツオと言ってもいくつか種類があり、どれもカツオと言われることもありますが、区別されています。
このページで紹介しているカツオは、本カツオと呼ばれる一般的なカツオです。
他にもカツオと呼ばれるものには、スマ(スマガツオ、灸)、ハガツオ(キツネガツオ)、ヒラソウダ(ソウダガツオ)、マルソウダ(ソウダガツオ)がいます。
スマ(スマガツオ)
カツオと同等かそれ以上な美味しさだと言われるのがスマです。見た目も似ていますが、主な見分け方は以下です。スマガツオはヤイトガツオとも呼ばれます。ヤイトとはお灸のことで、お腹にお灸を当てたような黒い斑点があることからそう言われています。
背中には虫食い状の模様があります。
カツオとスマの見分け方
ハガツオ
ハガツオは別名キツネガツオ(キツネ)とも呼ばれて、細く尖った顔つきをしており、鋭い歯を持っています。全体的なスリムな体つきをしています。
歯がとても鋭いのでハガツオと言います。背中の縦縞が特徴的です。カツオより水っぽく、味はカツオより劣ると言われることが多いです。
ヒラソウダ
ヒラソウダガツオはマルソウダよりも体が平たいのが特徴です。
マルソウダより体高があり、脂が多いとされますが鮮度が落ちやすく市場には出回りにくいです。
マルソウダ
マルソウダガツオは体の断面が丸く、サイズは少し小さめで体長が40cmほどです。
断面が円に近いように丸っぽいためマルソウダと言われます。
血合いが多く脂肪が少ないため、宗田節など鰹節として主に利用されます。
カツオの旬
カツオは、3月から6月の春の「初鰹」と、9月から11月の秋の「戻り鰹」が旬とされています。
ただし地域によって異なり、三陸北部や北海道南部では7月から9月頃が旬の時期とされています。
初ガツオと戻りガツオの味の違い
初ガツオの特徴としては、脂が少なくさっぱりとした赤身になります。
身が引き締まっているため、ぷりぷりとした食感とさっぱりした味わいが楽しめます。
そのため薬味とポン酢などで食べるタタキなどが向いているとされます。
戻りガツオは、産卵のためにエサをたらふく食べて南下してくるため、脂がのっていてこってり濃厚な味わいです。脂が多いものは身が白っぽくトロガツオと呼ばれたりもします。
脂があるのでやはりお刺身が美味しいですね。
それぞれ美味しさや味わいが違うので、おすすめの料理なども変わってくるのが楽しいです。
おすすめの食べ方
カツオは「たたき」、「刺身」、「寿司」、「焼き物」、「煮物」、「揚げ物」などの調理法に向いています。
カツオのたたき
特にカツオのたたきは、皮付きのまま表面を炙ることで香ばしさが楽しめる定番料理ですね。
カツオは足が早い(痛むのが早い)ので、表面が茶色くなりやすかったり、生臭さを感じやすかったりします。そのため表面を炙り、薬味で食べるカツオのたたきはまさにカツオにぴったりの食べ方です。
カツオの土佐造り
高知県では、カツオのたたきを分厚く切って、その上にニンニクや薬味をたっぷり乗せて、上からポン酢をかけて食べる「土佐造り」が有名です。
お刺身にする場合はなるべく新鮮なものを選びたいですね!
初ガツオは引き締まったぷりぷりとした食感と楽しめますし、戻りガツオは濃厚な脂の旨味を楽しめます。
カツオのお刺身
さっぱりと食べられるカツオは、洋風なカルパッチョなどにして食べる食べ方もおすすめです!
暑くなってきて食欲が落ちてきた初夏でも、涼しくぺろりと食べられちゃいます。
洋風カルパッチョ
また、カツオは煮物や揚げ物にもおすすめです。
足が早いので、少し傷んできたカツオはいっそのこと煮物や揚げ物にしてみましょう。
カツオのイノシン酸の旨味成分は煮物などの濃厚な味付けもにも合います。
マヨネーズとの相性がバツグン!?
遠洋漁業をしている漁師さんには、カツオのお刺身にマヨネーズをつけて食べる食べ方が人気です。漫画美味しんぼでも紹介されていたり、テレビ番組でカツオ漁などを見るとみんなマヨネーズをお刺身にかけていたりしますね。
普通の食べ方が飽きてきた方などは、漁師めしを真似してお刺身とマヨネーズと言う食べ方に挑戦してみてはどうでしょうか。マヨネーズは子供にも人気なため、お魚嫌いなお子さんにもおすすめかもしれません。
(参考:【美味しんぼの見過ぎ】カツオの刺身にマヨネーズをつけて食べてみた – まつもとの雑記)
それに余ったカツオの身は油で煮詰めるなどすれば自家製ツナの完成!マヨネーズと和えることで美味しいツナマヨに!ご飯のお供やおにぎりの具としてもぴったりですよね。