シロギスの特徴
一般的に「キス」と呼ばれる魚はこのシロギスのことを指します。
似ている魚が多数いますが、ヒレの色や模様で見分けることができます。
シロギスのヒレは無色透明ですが、他の種や外国産のものはヒレが黄色いものが多く、ヒレの色で見分けることができます。
体長は20〜30cmほどで、30cm以上になるサイズのシロギスはほとんど見られません。
体は透明感がある飴色(かすかに赤みがある灰色)で、シロギスという名前ですが白いわけではありません。鮮度が落ちてくると白っぽくなってきます。
全国の浅い砂底で漁獲することができます。しかし流通量はそこまで多くは無く、そのため飲食店などを主に流通します。
小ぶりだけど釣りのアタリが強くて人気だよね!
シロギス(白鱚)の名前・漢字の由来
キスは元々「キスゴ」と呼ばれており、そこから「ゴ」が省略され「キス」と呼ばれるようになりました。
現在でも各地で「キスゴ」と呼ばれています。
キスゴという名前の由来としては、「生直(きまじめ)」という言葉から、魚名語尾の魚を表す「ゴ」が付いたと言われています。
漢字の「鱚」の由来は、「キス」のきの字に対して、縁起の良い「喜」という字を当てて「鱚」となったと言われています。
最近では、口を突き出している顔がキスをしようとしているように見えるために「キス」と覚える人もいます。
生態・漁法
日本各地の沿岸の浅い砂底に生息しています。
5〜6尾ほどの小さな群れを形成し、ゴカイなどの環虫類やシラス、大きくなるとエビなどの甲殻類を吸い込むようにして食べます。
ひらけた砂底に生息しているため、警戒心が強く、音にも敏感です。危険を感じると素早く砂の中に身を隠します。
投釣りが人気
シロギスは産卵期前にエサを求めて湾内の浅い波打ち際までやってきます。
そのため気軽にできる投釣りがとても人気です。
さらに、シロギスは小さい体ながらアタリがはっきりとして強く、釣っても美味しいのも人気の理由の一つです。
シロギスの旬
キスは産卵期前の初夏が旬です。
産卵期前になるとエサを求めて内湾の1〜5mほどの浅い砂底までやってきます。そこを狙って漁獲を行います。
産卵期前が旬ではありますが、一年通して味が安定していると言われています。
味わい・食味
透き通るような白身で、旨味が強く上品な味わいです。皮には独特な風味があります。
キスと言えば天ぷら
シロギスは昔から東京湾などで獲ることができていたため、江戸前天ぷらなどの定番のネタになりました。
ふっくらと甘みがあり、揚げ姿が綺麗なキスは天ぷらに最適な食材だと言えます。
目利き・選び方のポイント
シロギスの目利きのポイントとしては、黒目がはっきりしていて張りがあり、身にツヤや透明感があるものが良いです。鮮度が良いものはウロコがしっかりと付いている場合があります。
市場流通
日本国内で獲れた鮮魚としては高値で高級魚です。
国内で獲れたものは、その多くが産地で消費され、他の地域には流通しません。
そのため最近では東南アジアなどからの輸入物が多くなってきており、それらが安価にスーパーに並ぶようになりました。