ホッケの特徴
主に北国で漁獲される魚で、居酒屋の定番メニューとしても幅広く知られている魚です。
ホッケは2種類いる
ホッケには、ホッケ(真ほっけ)とキタノホッケ(縞ほっけ)の2種類がいます。
真ほっけは、主に北海道産で、縞ほっけは、ロシア・アラスカなどからの輸入が主になります。
一般的に流通している「ホッケの開き・ホッケの干物」のほとんどが「キタノホッケ(シマホッケ)」という魚です。
居酒屋で食べるホッケは縞ほっけが多いかも!
北海道では、真ほっけを刺身で提供しているお店もあります。
ホッケは水っぽい魚なので痛むのが早く、刺身で食べる場合は新鮮なもののみとなります。刺身で食べる場合はシュードテラノーバ・アニサキスなどの寄生虫に注意する必要があります。
ホッケ(𩸽)の名前・漢字の由来
ホッケの幼魚は青緑色をしており海面近くに生息しています。そんなホッケの幼魚が群れで泳いでいる姿が花のように美しいことから、魚へんに花とつけられ𩸽と言われています。また、北方の魚ということで「北方(ほっけ)」と呼ぶ場合もあります。
生態・漁法
ホッケは、北海道、青森、秋田などの北の海で漁獲される魚です。
国内の漁獲高のほとんどが北海道で獲られます。漁獲方法としては、底引き網漁、刺し網漁、底たて網漁、巻き網漁などがあります。
ホッケは主に群れで行動します。幼魚の時は青緑色の体色をしており、海の表層を群泳していますが、成長するにつれてグレーぽい色になり、底質に生息するようになります。
ホッケの産卵期
主に9〜2月ごろが産卵期となります。地域によって異なります。
ホッケの大きさによる呼び方の違い
幼魚
【呼び名】
アオボッケ(青緑色をしているため)1年目:20cm前後ほど
【呼び名】
ロウソクボッケ2年目
【呼び名】
ハルボッケ、中ホッケ成魚
【呼び名】
ネボッケ(沖の根につくもの)、大ホッケ、タラバホッケ
ホッケの旬
ホッケの主な旬は春から夏頃までの間になります。漁獲される地域によって異なり、11月頃までが旬の場合もあります。
ホッケは秋頃からの産卵に備えて、春からたくさんエサを食べるため、秋前の期間が一番脂が乗っています。
旬のホッケは、干物やフライ、塩焼きなどが美味しいです。
味わい・食味
身には水分が多く、生で食べる場合は、新鮮なものや活け締めされたものが良いです。
身に脂が混在しているため甘みがあり美味しいです。
干物にしても柔らかく、骨や皮との身離れが良いため食べやすい魚です。
ホッケの刺身は美味しいのに、なぜ見かけないのか?
ホッケの刺身を食べたことがある人もいるかと思いますが、脂が甘く美味しいです。
そんなホッケですが、刺身などでスーパーで販売するには難しい事情があります。
まず、ホッケを刺身にする場合は鮮度が命です。
ホッケは水分量が多いため、痛むのが早い魚です。
さらに、ホッケにはアニサキスなどの寄生虫がいることが多く、寄生虫の問題も刺身の提供を困難にしています。よくある冷凍させてアニサキスを殺すという方法も、ホッケは水分量が多いため冷凍で味が大きく変わってしまいます。
現在ではホッケの加工技術も進歩しており、生のホッケを美味しく安全に食べることができるような工夫が生まれてきています。
目利き・選び方のポイント
生のホッケを選ぶ場合は、以下のようなものを選ぶようにします。
- 身がしっかりと硬いもの
- お腹が硬く張っていて柔らかくなっていないもの
- エラが鮮やかな色をしているもの
生で購入した場合は、できるだけ素早く内蔵を取り除いて処置をするのが大切です。
水分量が多い内臓から傷んでいくため、臭みの発生の原因にもなりますし、寄生虫除去の意味もあります。
魚が生きている時の寄生虫は、内臓にいることが多いです。しかし、魚の死後、内蔵から身へと移っていくことが多いため迅速な内蔵除去が必要です。
似ている魚との見分け方・違い
ホッケはアイナメ科であり、他のアイナメ科の魚との見分け方を知りましょう。
また、ホッケ(真ほっけ)とキタノホッケ(縞ほっけ)の見分け方も解説します。
アイナメとホッケの見分け方
アイナメとホッケの見分け方は、尾ビレを見ることで分かります。
アイナメは尾ビレの縁がまっすぐになっているのに対し、ホッケは尾ビレが二叉に分かれています。
ホッケ(真ほっけ)とキタノホッケ(縞ほっけ)の見分け方
ホッケ(真ほっけ)とキタノホッケ(縞ほっけ)の見分け方は、模様の違いになります。
以下は干物の場合の模様の違いです。
真ホッケの場合は、模様が不定形でまだらなのに対し、縞ホッケの場合はしま模様があります。
干物の場合、真ホッケの開きは有頭で流通することが多いですが、縞ホッケは無頭が多いです。
真ほっけと縞ほっけの違い
真ほっけと縞ほっけの違いですが、以下のような違いがあります。
真ほっけ | 縞ほっけ |
---|---|
・北海道産 ・脂が少なめで身が引き締まっている ・北海道で生で食べることがある ・模様は不定形でまだら | ・ロシアなどからの輸入 ・脂が多めで、真ほっけより大ぶり ・干物として流通しているもののほとんどがこれ ・しま模様がある |