ブリの特徴
ブリのサイズは1m前後ほどになります。ヒラマサ、カンパチと合わせて「ブリ御三家(青物御三家)」と呼ばれます。
ブリは日本の代表的な出世魚であり、成長するにあたって呼び名が変わります。(呼び名は地域によって異なります。)
ブリの成長
ややこしい?こんなにある!?ブリの成長名は各地で異なります。サイズごとの判断基準も各地で異なるため、ここでは大まかな成長段階での呼び名を紹介します。
稚魚:〜30cm
【呼び名】
ワカシ(関東)、ツバス・ヤズ(関西)、モジャッコ(四国)、コズクラ(北陸)、ワカナゴ(九州)、ツバエリ(東北)30cm〜60cm
【呼び名】
イナダ(関東)、ハマチ(関西・九州)、フクラギ(北陸・東北)60cm〜80cm
【呼び名】
ブリ・ワラサ・ハマチ(関東)、メジロ(関西)、ガンド・ガンドブリ(北陸、東北)80cm〜
【呼び名】
ブリ(全国)
見事にバラバラですね。共通しているのは80cm以上のものは全国で「ブリ」ということです。それ以外はバラバラであり、人によっての判断基準も違います。
ブリと似てる魚との見分け方
見た目がそっくりな魚もあります。それはブリ御三家のヒラマサ、カンパチです。ぱっと見て見た目が非常に似ているので、見分け方を知らないとどちらがどちらか分からない場合もあるかもしれません。ここではそれぞれの見分け方について解説します。
ブリとヒラマサの見分け方
ブリとヒラマサの見分け方には大きく3つあります。細かい見分け方もありますが、ほとんどが以下3つの見分け方で判別することができます。
ブリとヒラマサの見分け方その①:縦縞(イエローライン)と胸ビレ
ブリとヒラマサの見分け方として、縦縞と胸ビレの位置があります。ブリは縦縞と胸ビレの間に隙間がありますが、ヒラマサは縦縞と胸ビレが重なるような形状をしています。
さらにはヒラマサはこの縦縞(イエローライン)がブリよりはっきりくっきりとしている特徴があります。
ブリとヒラマサの見分け方その②:口角
ブリとヒラマサの見分け方として上顎の口角があります。個体差はありますが、ブリは口角が角ばっているのに対し、ヒラマサは丸みがあります。
ブリとヒラマサの見分け方その③:体型
サイズが同じくらいものぱっと見で比較するのなら体型がわかりやすいです。ブリはお腹が張っているような感じで全体的に丸い体型をしています。それに対してヒラマサは全体的に平べったい体型をしています。
ブリとカンパチの見分け方
ブリとカンパチの見分け方は、ブリとヒラマサに比べてわかりやすくパッと見て判別することができます。
ブリとカンパチの見分け方①:体色
ブリとカンパチの見分け方として、ぱっと見て分かるのが体の色です。
ブリは全体的に青みがかかった色をしていますが、カンパチは全体的に黄色や赤みがかった色をしています。
ブリとカンパチの見分け方②:口元
ヒラマサとの見分け方と同じですが、ブリの口角は角ばっているのに対し、カンパチの口角は丸みがかっています。
ブリとカンパチの見分け方③:カンパチの特徴
カンパチの特徴を知ることで、よりブリとの見分けがつきやすくなるでしょう。カンパチには眉毛のように見えるラインが目の上にあり、上部から見ると漢字の「八」と見えることから「間八(カンパチ)」と言われています。
ブリにはこのようなラインがありません。
ブリの生態・漁法
ブリの生息域は、北海道から九州南岸のオホーツク海、さらに日本海、東シナ海まで分布する回遊魚です。
ブリは、2月から初夏にかけた晩春に東シナ海から九州・四国沿岸などの南の方で生まれます。
その後、水温上昇に伴い餌を求め日本海沿岸、太平洋沿岸、朝鮮半島東岸を北上していきます。
北上したブリは、沿岸部近くにいるイワシなどの魚を捕食しながら成長していきます。
晩春にはワカシ、夏頃にはイナダ、翌年にはワラサと言ったように成長を続け大型のブリになっていきます。
北上して北海道まで行ったブリは、北海道でたくさん餌を食べた後、水温が下がる秋から冬にかけて産卵のために南下します。
漁法としては主に巻き網、定置網、一本釣りなどがあります。一般的な漁期は12月〜翌年3月ほどで、日本海側が早く、太平洋側では2〜3月くらいになります。
- 豆知識!
ブリは冬に日本海側を北上するため冬の寒さに備えるために脂肪を蓄えています。そのため日本海側の冬のブリは、脂の乗った寒ブリとなり、格別に美味しいブリとしてとても人気があります。
ブリの旬
ブリの旬は、寒ブリと言われるように冬が旬です。
ブリの選び方
全体的に丸みがあり、丸太のように丸々太ったものが良く、身に張りがあるものを選びましょう。どの魚も共通ですが、エラが鮮やかな紅色であるものが良いです。
寒ブリとは
寒ブリと言いますが、寒ブリとはその名の通り寒い時期に捕れたブリのことになります。
主には12月〜2月あたりに捕れた天然のブリのことを「寒ブリ」と言います。
漁獲された場所で決まるわけではありませんが、主には日本海側で捕れるブリのことを指します。
夏場のブリは脂肪が少なくスリムな体型をしています。夏場のブリと冬場のブリでは脂のノリが全く異なることから旬である冬の天然のブリを「寒ブリ」と言います。
ブリの有名な産地
ブリの有名な産地としては長崎県から日本海側を回って、島根県、福岡県、石川県、新潟県と行き、北海道、そして太平洋側では茨城県、千葉県が主な産地となります。
有名な漁港とブリのブランド
有名な産地の中でもブランド名がついているブリも多々あります。昨今ブリのブランド化の競争が始まっています。
ひみ寒ブリ(氷見ブリ):富山湾(氷見漁港)
寒ブリのブランドとして有名なのが富山湾周辺で漁獲のあった寒ブリになります。越中ブリとも言われ、年末年始などはとても高値で取引されます。
冬の能登半島近海で捕れたブリは天然能登寒ブリとして人気があり、氷見漁港で良質なブリとして扱われたものを氷見寒ブリとし、その中でも良いものを「さざなみ鰤」などと言ったりもします。
石川県の宇出津港では、「宇出津港のと寒ブリ」として有名で宇出津港のと寒ぶりまつりといったお祭りもあります。
佐渡寒ブリ:佐渡両津湾
「雪おこし」と言われる日本海側の冬型の気圧配置になり、雷が鳴り出す頃を石川・富山県では「ブリ起こし」と言います。その中でも「佐渡一番寒ブリ」などが有名です。
養殖ブリの産地
養殖の主な産地としては、長崎県、鹿児島県、熊本県、大分県などの九州、そして愛媛県、香川県などが有名です。
養殖のブリとは?ハマチと言うの?
ブリは海水養殖がされています。養殖されたブリは年間を通して安定的に出荷ができ、そして価格を抑えることで食卓に必要な存在となっています。
養殖されたブリは全国的に「ハマチ」と言われることが多いです。ただ、「ハマチ=養殖」というわけでもなく、ハマチという名称も地域ごとで異なります。