マイワシの特徴
マイワシは日本の食卓を代表する大衆魚です。
かつては国内の総漁獲量の三分の一を占めるほど獲れており、加工品を中心に日本全国で流通する産業的にも重要な魚です。たくさん獲れる年と獲れない年などがあり、好不漁の周期があります。
体長は15〜30cmほどになり、体に黒い斑点が7個ほど縦列しているのが特徴です。
黒い斑点の列は、1列のものから3列のものなどがあり、個体によって異なります。
身が柔らかく素手で開いて捌くことができます。痛むのが早いのも特徴です。
マイワシ(真鰯)の名前・漢字の由来
マイワシ(真鰯)は、水揚げ後にすぐ死んでしまうことや、他の魚や鳥など、あらゆる生物のエサとなる特徴から「弱し(よわし)」からイワシ(鰯)となったとされています。
生態・漁法
マイワシは日本各地の沿岸から沖合で大群を形成して回遊する魚です。
常に群れで行動し、動物性・植物性プランクトンを食べています。
水族館でイワシの群れを見れたりするけど圧巻だよね!
春から夏にかけ北上し、秋から冬に南下する季節的回遊を行いますが、地域によって回遊の仕方はさまざまで、回遊しないものもいます。
産卵期は12月から6、7月までの冬から春と長く、南の方にいくほど早くなり、地域によってバラバラです。
マイワシの成長
マイワシは出世魚でもあります。成長にあわせて呼び名が異なります。
稚魚
【呼び名】
シラス(体に色素がなく白い稚魚の総称)稚魚〜10cm
【呼び名】
アオコ、ヒラゴ、タツクチ10cm〜15cm
【呼び名】
コバ(小羽鰯)15cm〜20cm
【呼び名】
チュウバ(中羽鰯)20cm〜
【呼び名】
オオバ(大羽鰯)
マイワシの旬
マイワシの旬は、実際のところ明確な旬とされている時期はありません。
マイワシは日本全国で漁獲でき、産卵期や回遊性も地域によってバラバラなため一概に旬の時期を決められません。
味も通年安定しています。
強いて旬がいつであるのかと言えば、マイワシは梅雨時期から秋のはじまりまでの夏の期間が脂が乗っていて旬だと言われています。梅雨の時期から味が良くなるイワシのことを「梅雨イワシ」「梅雨入りイワシ」などと言います。
味わい・食味
日本の食卓を代表する魚のひとつであることから、生食(刺身、酢じめ、なめろう、ぬた、カルパッチョ)や、焼き物(蒲焼き、塩焼き)、煮物(煮付け、味噌煮)、揚げ物(フライ、天ぷら、唐揚げ)など、あらゆる調理方法で美味しく食べることができるのがイワシの特徴です。
身は柔らかく手で割くこともでき、骨も柔らかく包丁でも簡単に切ることができ、調理方法によって骨ごと食べられます。
目利き・選び方のポイント
マイワシの目利き・選び方のポイントとして、良いマイワシには以下のようなポイントがあります。
- 目が充血しておらず澄んでいて盛り上がっているもの
- 体高が高くてまるまると太っており、頭が小さく見えるもの
- 身が締まっていて硬いもの
- ウロコがなるべく付いているもの
流通過程の水氷で目は白っぽくなってしまうことがあります。この場合目が白っぽいからと言って鮮度が悪いわけではありません。身を触ってみてしっかりと硬直しているものを選びます。
脂がのっているものはまるまると太っており、顔が小さく見えるのが特徴です。
マイワシのウロコは流通過程でそのほとんどが剥がれ落ちてしまいますが、なるべくウロコが付いているものが、擦れが少なく鮮度が良いものだと言えます。
市場流通
日本全国各地で水揚げされ、幅広く流通しています。
食用以外にも堆肥として流通する
食用として鮮魚や加工品として流通するイメージがありますが、実は「ほしか(干鰯)」と言った、マイワシやニシンなどを干して乾燥させ固めた肥料が田んぼや畑などの肥料として昔から多く流通しています。
栄養価がバツグン!
マイワシは栄養価が高いことでも有名です。
青魚と言うとなんとなく栄養価が高いと思っている人も多いかと思いますが、そのとおりでマイワシにはタンパク質をはじめ、ビタミンA、B、D、E、K、葉酸、カルシウム、鉄分、セレン、リンが含まれています。
DHA・EPA
青魚と言えばDHA・EPAで一度は聞いたことがあるという人も多いと思います。
DHAはドコサヘキサエン酸のことで、EPAはエイコサペンタエン酸のことになり、どちらも健康効果が高いとされるオメガ3系の不飽和脂肪酸になります。
DHA・EPAを積極的に摂ることで、頭の働きが活性化して、記憶力、認知機能向上、集中力アップ、などに役立つと言われています。
またEPAは血液をサラサラにする効果があり、内蔵脂肪やコレステロール値の改善など、生活習慣病に対してもおすすめだと言えます。