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キビナゴ 黍魚子、黍女子

美しい銀色の帯が特徴!釣りエサとしても人気

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キビナゴの特徴
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主な旬
初夏・冬
全長
10cm
身質
白身
漁期
夏〜秋
人気度
普通
味の評価
とても美味!
希少性
普通
重要度
普通
旬の時期
食味の良さ
産卵期
漁期
10/15
※各情報は平均的な指標であり、地域や個体によって異なります。
和歌山県 愛媛県 高知県 長崎県 熊本県 宮崎県 鹿児島県

キビナゴの名産地

多く出荷・流通している産地。または主な漁獲可能な産地。

キビナゴの基本情報
分類
外国名Silver-stripe round herring, Slender sprat
学名Spratelloides gracilis
地域名ハマゴイワシ(沼津、西伊豆)、ハマゴイ、ジャムキビナゴ、キッポ
分布と生息域
に分布。
主な生息水深はあたりの
に生息。
漁法
釣り
寿命1年
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キビナゴ【魚子】
は、美しい銀色の体が特徴で釣りエサとしても人気な魚です。そんなキビナゴの特徴や生態、旬の時期や食べ方・おすすめの料理などをご紹介します!

キビナゴとはどんな魚?

キビナゴはニシン目キビナゴ科の魚で、その特徴的な銀白色の体からお刺身としての見栄えが良いため、お刺身が人気の魚です。釣り人からすると食べるというより釣りエサとして大人気の魚でもあります。

キビナゴ
釣り人からするとエサとして大人気

体長は10cmほどの小魚で同系統の魚のなかでも小さい魚です。
細長く円筒形の体をしています。最大の特徴は体に入っている銀白色の縦帯です。

キビナゴ
体全体に銀色の縦帯が入る

この縦帯が綺麗でお刺身の見栄えや、釣りエサとしても良い感じに役に立つ特徴でもあります。

キビナゴの刺身
銀白色の縦帯が美しい

キビナゴの生態

泳ぐキビナゴの群れ
キビナゴの大群

キビナゴは沿岸魚ですが、潮通しが良い外洋の海域に多く生息しています。
北日本には見かけず、主には南日本(九州、鹿島灘から沖縄や宮古島)などの温暖な海域に分布している魚です。
臆病な性格で、とても大きな群れを作って行動する魚です。

キビナゴの産卵期

キビナゴの産卵期は地域によって違いますが、日本では主に春(4月頃)から夏(8月頃)までの時期とされています。この時期になると大群で沿岸から内湾に押し寄せてきて、海藻などに沈性粘着卵ちんせいねんちゃくらん(卵の比重が水より重いため、沈んだり、他物に粘着する卵)を産み付けます。
海外の温暖な海域では周年産卵を繰り返しています。

キビナゴの群れ
沿岸を回遊するキビナゴの群れ

エサは主に橈脚類かいあしるいなどの動物性プランクトンを食べています。

キビナゴの旬

キビナゴの旬と言われる時期は年に何回かあり、主には12月から2月の冬の時期と、5月から6月の春から初夏の産卵期の時期とされています。

冬の時期は脂がのり身が締まるためお刺身が美味しくなる時期になります。
産卵期の時期は卵や白子が美味しいため、丸ごと食べる天ぷらや唐揚げ、煮付けなどの料理が美味しくなる時期です。

キビナゴの食べ方・おすすめの調理方法

キビナゴは幅広い食べ方がある魚です。
足がとても速い(痛むのが速い)ので、お刺身であれば鮮度が大切になってきます。
ただやっぱりキビナゴといったらその美しいお刺身を食べたいですね!
鹿児島など、有数なキビナゴの産地を訪れた場合は是非キビナゴのお刺身を食べましょう!

とっても美しい!「キビナゴの刺身」

鹿児島の郷土料理として欠かせないのがキビナゴです。
お刺身として食べる場合は、脂がのってきて身が引き締まる冬の時期がおすすめです。
身が柔らかいので簡単に手で開いてお刺身にすることができちゃいます。

出典:きびなごの刺身 鹿児島県 _ うちの郷土料理:農林水産省

繊細のキビナゴの身を丁寧に開き、菊の花をかたどった菊花造りにして、酢味噌につけて食べるのが伝統的な食べ方です。

ご当地漁師めし!「キビナゴの醤油漬け丼」

キビナゴ名産地「甑島」のキビナゴ丼

これも見た目的にも美しく贅沢な食べ方ですよね!
キビナゴの漬け丼は漁師めしとして人気のメニューです。主に西日本・九州エリアで食べることができます。鹿児島では生食用のキビナゴが安くたくさん売られていることもあるので、こんな豪快な海鮮丼を作ることもできちゃいます!

産卵期の子持ちは天ぷらがおすすめ!「キビナゴの天ぷら」

キビナゴの天ぷら
キビナゴの天ぷら

冬の時期は身が美味しいので、やはり刺身で食べたいですが、春先の子持ちキビナゴは丸ごと食べられる料理がおすすめです!そのためやはり天ぷらで食べたいですね!

子どもにも大人気!「キビナゴの唐揚げ・竜田揚げ」

おやつ感覚で食べられる!

天ぷらの次に唐揚げ・竜田揚げです。おやつ感覚で食べることができるのがキビナゴの唐揚げです!
唐揚げなら子どもにも定番の人気メニューですし、食べきれなくても南蛮漬けにすることで次の日のメインメニューにもなっちゃいます!

キビナゴの南蛮漬け

丸ごと食べられる小魚でぜひやりたいのが南蛮漬けです。小アジとかワカサギなどが有名ですが、キビナゴもおすすめです!唐揚げや竜田揚げを作ったら、半分くらいは漬けて次の日に食べましょう!南蛮漬けは一晩寝かしたほうが魚も柔らかくなり美味しいです。

キビナゴの甘辛揚げ・甘酢唐揚げ

キビナゴの人気の食べ方として甘辛揚げがあります。甘じょっぱさがキビナゴサイズのお魚にはとてもマッチしますね!

キビナゴの煮付け

他の食べ方がメジャーですが、小魚でも煮付けは美味しいです!夏でも冬でもどっちでもおすすめのメニューですね!身が柔らかいため、身離れが良く、気にならなければ骨ごと食べられます。

鹿児島県のキビナゴ

キビナゴといえば鹿児島とも言えるほど、鹿児島県は有数のキビナゴの産地です。
キビナゴは繊細なお魚で、足が速いので流通が難しい魚でもあります。ただ九州地方ではたくさん獲れるお魚で、お手頃価格でたくさん売られていたりもする魚です。

キビナゴの釣り方

泳ぐキビナゴ
泳ぐキビナゴ

キビナゴを狙う場合は、小さな針を使ったサビキ釣りが釣り方になります。夏場沿岸付近に群れでくるキビナゴで数釣りを狙うことができます。

キビナゴを釣るというより、釣りエサに使われることが多い魚

釣り人的にはキビナゴは食べる魚というより、大物を狙う時の釣りエサというイメージのほうが大きい人も多いのではないでしょうか?

冷凍キビナゴ
冷凍キビナゴ

キビナゴは冷凍などで出回っているため、釣りエサとして手に入りやすく、様々な魚種を狙える汎用性の高い魚です。
また、反射板のように光るその銀色の体が、視覚的に魚を引き寄せやすいという特徴があります。

参考文献・参考Webサイト

以下は、いつもお世話になっている書籍・Webサイトや、今回参考にさせていただきました書籍・Webサイトになります。ありがとうございます!

【書籍】

  • 荒賀忠一,望月賢二,中坊徹次,小西和人,今井浩次,小西英人著編集(1995)『新さかな大図鑑―釣魚 カラー大全』株式会社週刊釣りサンデー.
  • 小西英人(2018-2021)『釣魚1400種図鑑』株式会社KADOKAWA.
  • 石川皓章著(2010-2019)『海の魚 大図鑑』瀬能宏監修,隔週刊つり情報編集部編,日東書院本社.
  • 『おとな図鑑(2) おいしいお魚百科』藤原昌高監修,ぴあレジャーMOOKS編集部.
  • 藤原昌高(2013)『からだにおいしい魚の便利帳』高橋書店.

【Webサイト】