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カワハギ 皮剥 【通称・別名】ハゲ・バクチウオ

海のフォアグラと呼ばれる肝が絶品!簡単に剥がれる皮が特徴的な魚

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カワハギの身体的特徴
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主な旬
101
全長
30cm
身質
白身
漁期
通年
人気度
人気!
味の評価
極上の美味!!
希少性
普通
重要度
普通
旬の時期
食味の良さ
産卵期
漁期
7/1
※各情報は平均的な指標であり、地域や個体によって異なります。
Toyama Shizuoka Wakayama Ehime Nagasaki Oita

カワハギの名産地

多く出荷・流通している産地。または主な漁獲可能な産地。

カワハギの基本情報
分類フグ目カワハギ科
外国名Threadsail filefish
学名Stephanolepis cirrhifer
分布本州から九州南部、瀬戸内海までの沿岸で水深100m以内の浅い砂地に生息。
漁法定置網、刺し網、がま口漁法、釣り
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カワハギ【皮剥】ザラザラとした硬く鱗と一体化した表皮に覆われている魚。皮は簡単に剥がすことができる。肝の美味しさが特徴的で肝を利用した料理が人気。全国各地の浅い海域に生息していて釣りでもおなじみの魚。

カワハギの特徴

ひし形の体型で平たく、頭部に角状に変化した背びれがあります。
表面は鱗と一体化した皮で覆われており、名前の通り、皮が簡単に剥がれることが特徴的な魚です。

カワハギ

日本全国の浅い海域の海底付近に生息しています。
小さなおちょぼ口のような口には硬く頑丈な歯が備わっており、エビや貝など砕いて食べています。

秋から冬にかけて大きくなる「肝」が美味であり、カワハギの肝は「海のフォアグラ」と言われて珍重されています。

釣りに関してはアタリを見極めるのが難しく、かつ、餌を取って行くのがうまいため「餌取り名人」「海の忍者」とも呼ばれています。

カワハギの名前の由来

その名の通り、簡単に皮を剥ぐことができることから「カワハギ(皮剥)」と呼ばれます。簡単に皮が剥げることから、博打に負けて身ぐるみを剥がされるといったイメージから、地域によっては「ハゲ」「マルハゲ」「バクチウオ」と呼ばれることもあります。

カワハギの生態・漁法

日本全国の浅い水深の海底に生息しています。

泳いでるカワハギ

海底の砂に潜んでいる貝やエビなどを、口から水を吹きかけて見つけ出し、硬い歯で砕いて食べます。
産卵期は夏で、砂底に産卵します。

糸状に伸びた背びれがあるのはオス

カワハギのせびれ
 

背びれの第2軟条だけが長く糸条に伸びているのがオスですね。

カワハギの旬

カワハギの旬は肝が育つ秋から冬とされています。

身の美味しさは初夏が良いと言われることもあります。これは夏に産卵期を迎えるため、カワハギ本来の旬の時期は夏だとも言えるからです。ただし、カワハギは通年味が安定して美味しいとされます。

カワハギの味わい

身は透明感があり、もっちりとした歯ごたえがあり甘みが感じられます。

なかでもカワハギの肝は「海のフォアグラ」と言われるほどねっとり濃厚な美味しさがあります。
カワハギの肝は秋から冬にかけて大きくなり、肝じょうゆや、肝あえ、鍋料理など、カワハギの肝を使った料理がたくさんあります。

似ている魚との見分け方

カワハギの仲間でもあり似ている魚の代表と言えば、ウマヅラハギがいます。それぞれの見分け方について見てみましょう。

カワハギとウマヅラハギの見分け方

カワハギと似ている魚でウマヅラハギという魚がいます。
この魚との見分け方について見てみましょう。
以下がカワハギとウマヅラハギの主な見た目の特徴をまとめたものです。

カワハギとウマヅラハギの違い

カワハギとウマヅラハギの見分け方として、体型で見分けることができます。カワハギは体高が高くひし形の体をしていますが、ウマヅラハギは体高が低く面長です。

模様も異なり、カワハギは横向きに細かく縞模様がありますが、ウマヅラハギは雲状に斑模様があります。

さらにヒレの色も少し異なり、カワハギはヒレが黄色っぽいですが、ウマヅラハギは青っぽいヒレの色をしています。

目利き・選び方のポイント

カワハギの目利き・選び方のポイント

カワハギの選び方として、まずは澄んでいて張りのある綺麗な目のものを選ぶようにします。
次に体の色を見てみます。カワハギは釣り上げてから体色が変わったりしますが、基本的には模様がはっきりとしたものを選ぶと良いです。鮮度が落ちてくると模様がぼやけてくるようになります。

また、お腹が張っていて膨らんでいると大きな肝が詰まっている可能性もあります。

 

お腹が膨らんでいると大きい肝が期待できるよね!でも食べた餌で膨れているだけの場合もあるよ。

養殖のカワハギは?

昨今ではカワハギの養殖がはじまってきていて人気が出ています。
カワハギ通年全国で漁獲できる魚ではありますが、肝があるかどうかで値段が大きく変わってしまう魚でもあります。
そのため養殖で一年中肝が大きいカワハギを生産する試みが行われています。
カワハギを養殖することで、締めたあとの鮮度管理や、寄生虫の心配も無くなります。

カワハギについてまとめ

カワハギの旬
カワハギは通年安定して味が良い魚ですが、肝が大きくなる冬が旬だと言われています。しかし、本来の産卵期は夏であり、身の美味しさとしては初夏が旬だという意見もあります。
カワハギの特徴
ひし形の体型で平たく、頭部に角状に変化した背びれがあります。名前のとおり、皮を簡単に剥ぐことができることが特徴的な魚です。おちょぼ口のような口で餌をつついで食べるため釣り上げるのが難しく、餌取り名人とも言われます。
カワハギの味わい
白身で適度に弾力があり、甘みがあります。特にカワハギの肝は「海のフォアグラ」と言われるほど美味しく重宝されています。
カワハギの選び方・目利きのポイント
良いカワハギの選び方は、綺麗な目と、はっきりとした模様、お腹の部分が張って膨らんでいるものを選ぶと良いです。
参考文献・参考Webサイト

以下は、いつもお世話になっている書籍・Webサイトや、今回参考にさせていただきました書籍・Webサイトになります。ありがとうございます!

【書籍】

  • 荒賀忠一,望月賢二,中坊徹次,小西和人,今井浩次,小西英人著編集(1995)『新さかな大図鑑―釣魚 カラー大全』株式会社週刊釣りサンデー.
  • 小西英人(2018-2021)『釣魚1400種図鑑』株式会社KADOKAWA.
  • 石川皓章著(2010-2019)『海の魚 大図鑑』瀬能宏監修,隔週刊つり情報編集部編,日東書院本社.
  • 『おとな図鑑(2) おいしいお魚百科』藤原昌高監修,ぴあレジャーMOOKS編集部.

【Webサイト】

ヽ Author ゞ

おびれ〃

とともん管理人です。元魚屋勤務・海鮮居酒屋店主。調理師。常に魚の情報を追求しています。
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