アイナメの特徴
アイナメは日本各地の岩礁域に生息しており、体長は大きいもので4、50cmを超えます。
釣りでも人気の魚です。
江戸時代には殿様が食べる魚として重宝されていました。
体が油を塗ったようにぬめぬめしているため、アブラコ、アブラメとも呼ばれます。
アイナメの分類は、スズキ目に分類する説と、カサゴ目に分類する説の二通りがあります。
体色はさまざまで、生息域によって違う
アイナメは、生息場所によって体色を保護色に変化させる魚です。変化する色はさまざまで、茶褐色、赤褐色、紫褐色、黒色、黄色などがいます。
産卵期になると、縄張りのリーダー格のオスは、婚姻色として体色が黄色っぽくなるという特徴があります。婚姻色が出たオスのことをワタリと呼びます。
側線は5本、背ビレにはくびれがある
他の魚との見分け方に役立ちますが、アイナメは側線が5本あり、背ビレにくびれがあります。
側線は、背側に3本、胸ビレ下に短いものが1本、腹部から尾部腹面にかけて1本と、計5本あります。アイナメに似た魚ではクジメがいますが、側線の数で見分けることができます。
また、背ビレのくびれはホッケと見分けるポイントでもあります。
尾ビレの縁はまっすぐ
アイナメの尾ビレの縁はまっすぐです。
ヒレが開いていない場合は、内側が内向きに反っているように見えます。
アイナメと似ている魚でクジメやホッケがいますが、どちらも尾ビレの形で見分けることができます。
アイナメ(鮎並)の名前・漢字の由来
アイナメは日本各地で漁獲されるため、様々な呼び方や漢字があります。
主に使われれる「鮎並」という漢字の由来は、アイナメは魚の鮎のように同じ場所に居座り、縄張りを持つ生態や、鮎のようになめらかな体のため「鮎並」という発音が訛ってアイナメになったと言われています。
また体表が油を塗ったようなぬめりを持つことから、アブラメ(油目)、アブラコ(油子)と呼ばれます。
アブラコと呼ばれるのは主に北海道で、アブラメと呼ぶのは青森県や西日本が多いです。
- 豆知識!
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魚名の語尾に「め」という字がつく魚は「賞味すべき美味な魚」の意として語尾に「め」が付けられたと言われています。
生態・漁法
アイナメは日本全国の沿岸に生息している魚です。
水深30m以内の浅い岩礁域・藻場の底床に生息しています。
東京湾にも生息しているなど日本全国で漁獲することができます。
同じアイナメ科にはアイナメ含め、クジメ、ウサギアイナメ、ホッケ、キタノホッケの計5種類がいます。
ゴカイ類や甲殻類、魚類などを食べています。
アイナメの産卵期
産卵期は主に、10月〜1月あたりの秋から冬までの時期になります。北海道など、北国では9月頃から産卵期になります。
産卵場所は岩礁域の礫底で、浅い石の底に卵を産み付けます。
メスが産んだ卵はオスが守ります。
釣りで人気の魚
アイナメは日本全国沿岸で釣ることができ、味も一年を通して安定しているため、釣りで人気の魚です。
特に産卵期となる冬の時期は、産卵のために浅瀬に寄ってくるため、他の時期よりもよく釣れます。
アイナメの旬
アイナメは一年を通して味が大きく変わりませんが、産卵期前に栄養を蓄える春〜夏が旬とされています。夏の時期になると価格も高くなります。
味わい・食味
アイナメの身はなめらかな白身で、脂が多いものは甘く旨味があります。活け締めされたものなどは身に締まりがあり弾力があります。
目利き・選び方のポイント
アイナメの目利きのポイントは以下です。
アイナメは鮮度が落ちやすい魚のため目利きが大切です。
- 体表にぬめりがあり、潤っていて光沢があるもの
- 目が膨らんでいて張りがあるもの
- 活け締めされているもの
- 肩部分の身が膨らんでいて張りがあるもの
鮮度が落ちてくると特有の臭みが出てくるので、夏場などは注意が必要です。
似ている魚との見分け方
アイナメ科にはアイナメと、クジメ、ウサギアイナメ、ホッケ、キタノホッケがいます。それら似ている魚との見分け方について見ていきましょう!
ホッケとアイナメの見分け方
ホッケとアイナメの見分け方としてはヒレの形状で見分けることができます。
アイナメは尾ビレの縁がまっすぐであるのに対し、ホッケは尾ビレが二叉の形状に分かれます。
またアイナメは背ビレがくびれているような形状をしていますが、ホッケにはそのようなくびれがありません。
市場流通
アイナメの市場流通量はそこまで多くはありません。鮮度が落ちやすい魚のため、活け締めされた鮮魚などは高い値段で取引されます。
また、身の味が良くなってくる夏の時期には値段が高くなってきます。