アオリイカとはどんなイカ?
アオリイカは胴長60cmほどにもなる比較的大型サイズのイカです。
特徴的な丸く大きなヒレ
アオリイカの特徴といえば丸く大きなヒレです。ヒレは胴のほぼ全周についています。
ヒレをヒラヒラさせている姿がとても可愛いイカです。
イカの王様と呼ばれる理由
アオリイカはその堂々としたサイズ、希少性、そして何より食味が最高に良いことからイカの王様と呼ばれます。
最も大きなものは6kgほどになりますが、基本的には1kgほどが食べやすいと言われます。
大きいアオリイカが美味しくないというわけではなく、身が分厚いので、刺身で食べるには寝かせる必要があったりします。
身は厚めですが、弾力がありながらも柔らかく歯ざわりが良く、噛むごとに強い甘味を感じることができます。
釣り人特権のイカ
他のイカと比べて商業的な漁獲量が少ないのと、沿岸浅場に生息しているため釣りのターゲットとして最適であり、まさに釣り人特権のイカでもあります。アオリイカ狙いのエギング(エギという疑似餌でイカを釣る方法)を専門的に行う釣り人も多いです。
アオリイカは3種類いる
アオリイカと言っても正確には3種類います。
この記事を書いている時点ではまだ和名が決まっていないためこの3種はまだ分類分けはされていませんが、遺伝子的に別種であることが分かっているため、後に別けられることになると思います。
(参考:アオリイカ:水産庁)
シロイカ
最もよく見るアオリイカになります。
日本各地に生息しており、最大で50センチ、4キロほどまでになります。
「シロ」イカと言われていますが、実際には褐色や黄色っぽいことがほとんどです。
締めればどのイカも白くなりますしね。。
アカイカ(アカ系)
アカイカという名前のイカはいますし、通称でアカイカと呼ばれるイカもたくさんいて紛らわしいので「アカ系」と呼ぶのが良いような気がします。
3種類のアオリイカの中で最も大きくなるのがこのアカ系です。
鮮やかに赤いので見分けやすいでしょう。シロイカよりもむしろ南日本の沖合寄りに生息しています。生息水深はシロイカより深めで30〜100mほどになります。
大きな見た目から「レッドモンスター」とアングラーからは呼ばれているアオリイカです。
クアイカ(クワイカ)
シロイカとちょっと違いがわかりにくいと思いますが、クアイカは胴長13cm、150gほどで成熟とされるイカです。3種類の中ではもっとも小さいアオリイカですね。
分布エリアはアカ系とほぼ同じとされていて、主に南日本(和歌山以南)の太平洋側に生息しているとされています。
眼の上のエメラルドグリーンが、他の種よりもはっきりと濃く、外套膜の斑紋が明瞭であるという特徴があります。
アオリイカの生態
アオリイカは日本各地(北海道以南から琉球列島)、東南アジアなどの西部太平洋やインド洋、オーストラリアからハワイ、南アフリカまでの中部太平洋といった、かなり広域に分布しているイカになります。他のイカよりも生息範囲が広めな印象ですね。
アオリイカの産卵
アオリイカの産卵期は春です。
冬から春にかけて沿岸の藻場や岩礁域を訪れて卵を産み付けます。
ほとんどのイカは寿命が1年しか無く、産卵後は死んでしまう「一生産卵型」だよ。だから産卵期を知るというのが重要なポイントになるよ。
アオリイカのシーズンは秋と春の2回
釣りをやる人であればお馴染みですが、アオリイカのシーズンは秋と春の2回があります。
秋のアオリイカは、春に産まれた子どもがある程度成長してきたものになります。そしてたくさんエサを食べるようになるため秋のアオリイカは活性が高く、この時期にアオリイカを狙う釣り人が多くなります。
春のアオリイカは産卵期前となり、もっともアオリイカが成熟している時期になるため大型のアオリイカに出会うことができます。
アオリイカのオス・メスの見分け方
アオリイカはオスメスの見分け方が簡単なので見分けてみるのも楽しみの一つとなります。
見分け方としては、主に斑紋を見ます。
オスの模様は横長の線模様ですが、メスは丸・楕円形の点模様になります。
また、オスよりメスのほうが小さいのも特徴です。
オスとメスどっちのほうが美味しいの?
これは分かるほどの違いは無いように思います。
アミノ酸の含有量などを考えてみれば、メスは卵巣にどうしても栄養がいってしまうと考えられますし、オスのほうが大型ということで、メスよりじっくり熟成させてアデニル酸を増やせるかも?と考えると、オスのほうが美味しくなるポテンシャルがあるかもしれません。
(参考:アオリイカはオス、メスどちらが美味しいの? _ 横浜丸魚株式会社)
アオリイカの旬
イカというのは魚と異なり脂が乗るという概念がありません。
そのため、単純に味を評価するのであれば、甘味やコクなどを左右する遊離アミノ酸含有量です。
遊離アミノ酸含有量は成熟期に増加していると考えられています。
(参考:イカのタウリン、その動き|コラム|ヤマカ食品)
そのためアオリイカの旬は春と言えます。
ただ、活性が上がってたくさんエサを食べてちょうど良いサイズになるのが秋です。
食べ方や好みによって変わる
春の大型のアオリイカは、すぐ食べようと思っても硬かったりします。
そのため隠し包丁を多く入れたり、数日寝かせてうま味成分であるアデニル酸を増やすとか、冷凍させるなどして柔らかくしたほうが良いと思います。(ツツイカ目のイカは冷凍させると甘味が増します)
そうすれば甘味などの観点から考えると秋イカより春イカのほうが強くなると思います。
ただ美味しさというのは甘味だけで決まるものではなく、食感なども大切です。
アオリイカの強烈な甘味を突き詰めたいなら「春イカ」、新鮮なイカ特有の食感を味わいたいならば「秋イカ」です。
魚と違ってそこまで旬にこだわらなくても良いかもしれません。
アオリイカのおすすめの食べ方・調理方法
他のイカであればいろいろな調理方法が思いついたりするのですが、アオリイカに限っては、あれこれした調理方法はおすすめできないというのが個人的な意見です。
理由は簡単で「貴重で高価なイカだから」です。笑
エギングでバンバン釣り上げられる人ならアオリイカをイカリングにしても良いかもしれませんが、僕のように何時間も遠投してシャクり続けて釣れないって人からすると、そもそもアオリイカをイカリングにしようという発想自体が出てきません。。
そのため断言しますがアオリイカは生食で食べましょう!他のおすすめはありません。
これぞ高級イカの真髄!「アオリイカの刺身」
他のイカとは一線を画すのがアオリイカの刺身です!
その甘味はイカのなかでもトップクラス。
強烈な甘味にうま味、さらに熟成させることによりそのポテンシャルを引き出すことができるのがアオリイカです。
強烈な甘味を持っているイカと言えばケンサキイカがいますが、アオリイカは切り方を工夫することで様々な食感を楽しめます。
噛むごとに口の中で甘味が広がります。
- ポイント!
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加工中は水気を絶対に避けること。
イカは身の内部層が一番甘いため、その部分を舌に触れさせるためにできるだけ細かく包丁で切り込みを入れると良い。食べやすくもなる。
これぞ甘味爆弾!「アオリイカの握り寿司」
刺身ときたら外せないのが寿司です。
アオリイカはご飯との相性もバツグンなので、高級寿司屋さんなどではアオリイカのお寿司を出しているお店が多いですね。どこまで甘くするかというのは好みの問題です。
シャリと醤油、イカの甘味のバランスを考えるのが楽しいですね。
シャリは普通の甘さで良いかもしれません。醤油が甘すぎるとイカの甘味を邪魔してしまうかもしれません。
- ポイント!
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アオリイカのサイズを見て、ほどよく熟成させよう!
刺身と同じく細かく包丁を入れることで口の中でシャリと合わさって噛むごとに甘味が爆発!
アオリイカの釣り方
自分のような下手くそが話しても仕方がないですし、ネットに情報や動画が溢れているので主にはそちらを参考にしてください。。
アオリイカの釣り方としては、専用のエギという疑似餌を使います。これが水中で飛び跳ねたり動くことでイカを誘います。この釣りをエギングと言います。
エギを動かすのに竿を上下させる「シャクる」という動作をします。ずっとやっていると疲れます。
釣れたら締めて持ち帰りましょう。