コウイカ(スミイカ)とはどんなイカ?
コウイカとはその名のとおり、甲羅のような硬い甲があるためコウイカと呼ばれるイカです。この甲は石灰質でできており、「イカブネ」とも呼ばれます。
墨をたくさんもっており、大量に墨を吐くことから「スミイカ」とも呼ばれます。自分は都内の魚屋で働いていましたがスミイカが流通呼び名でした。関東ではスミイカと呼ぶのが多い気がします。
そのためイカスミパスタなどイカ墨料理に活用されます。イタリアなどヨーロッパでも広く普及しているイカです。
コウイカのサイズ、オス・メス見分け方
コウイカは胴長20センチほどのイカです。オスメスの見分け方として、オスは縞模様がはっきりと出ているのに対し、メスはまだらな斑紋がある感じです。
ツツイカ目とコウイカ目
イカというのは大きく分類すると2つのタイプに分かれており、「ツツイカ目」と「コウイカ目」に分類されています。
一般の方がよく見かけるイカと言えば、スルメイカ、ヤリイカ、ケンサキイカ、アオリイカなどですが、これらのイカは「ツツイカ目」です。
とても簡単に言ってしまうと、石灰質の硬い甲を持っているものを「コウイカ目」、柔らかい軟骨を持っているイカを「ツツイカ目」として分類されています。
エンペラと呼ばれる短いヒレ
コウイカの特徴としては、胴体がずんぐりむっくりと丸く、ヒレが短いことです。
コウイカとモンゴウイカの違い
コウイカと聞くと、モンゴウイカという呼び名も聞いたりしないでしょうか?
人や地域によるかもしれませんが、一般的にモンゴウイカというのは同じ「コウイカ科」であるカミナリイカのことを言います。釣り人にはおなじみのイカかもしれません。
カミナリイカはコウイカよりも大型になるイカです。
そのため、大きいコウイカを「モンゴウ」と呼んだりもします。
コウイカと似ているイカ
コウイカと似ているイカはいくつかいます。
代表的なのが、カミナリイカ、シリヤケイカ、コウイカモドキ(ハリイカ)などです。
ハリイカは市場ではコウイカの小さいものとして全く同じ扱い方をされます。
コウイカとカミナリイカの見分け方
新鮮なものであればとても簡単です。なぜならカミナリイカには全身にぶちゅぶちゅとキスをされたようなキスマークみたいな模様がたくさんあるからですね。
新鮮なものはこの模様が特徴的なので、模様で見分けることができます。また、サイズもカミナリイカのほうが大きくなります。
その他似てるイカと主要なイカ
余談ですが、学術的には頭足類は足(腕)のほうが頭なので、そちらを上にして掲載するのが基本ですが、最近はエンタメ(漫画・アニメ・ゲーム)業界の影響が大きく、イカは帽子被っているみたいに描かれたりなどして頭側が下側とされることがほとんどです。そのため当サイトでは今後もこの向きでイカの画像を作成・掲載していきます。
沖縄ではコブシメが有名
学術的には別ですが、似ているコウイカとしてコブシメというイカが有名です。沖縄でコウイカと言えばこのコブシメのことになります。
胴長50センチ以上になるかなり大型のコウイカです。
コウイカの生態と習性
コウイカは日本では関東より西側の主に南日本に分布しているイカです。
国外であれば、東シナ海からオーストラリアまでの西部太平洋に分布している温暖な海域に生息するイカです。
夫婦仲良く暮らすコウイカ
コウイカは早春から夏にかけて何度も産卵を行います。
この時期はオスとメスでペアで行動していることが多いようです。産卵方法としては他のイカと同じように海藻や枯れ木などに卵を産み付けます。
砂泥底に生息していることが多いため、産卵した卵には夫婦で砂をかけて保護するという工夫までします。
しかし寿命は1年で、産卵後には死んでしまいます。
コウイカの旬
コウイカの旬は地域差がありますが、一番成熟する時期でもある、冬〜春先が旬とされています。ただ、イカは魚と違って脂が乗るなどの概念がありません。そのため成熟度合いで味わいがことなり、おすすめの調理方法も変わってきます。
寿司と言えば「新イカ」
新イカというのは、春先や夏に獲れる5センチ前後の小さいコウイカのことを言います。
このサイズを寿司にするとなると、1パイで一貫くらいにしかならないのですが、これが寿司通からすると至極の一品であり、高値で取引されます。
コウイカの調理方法・おすすめの食べ方
コウイカの特徴としては、身が分厚く甘味があるのが特徴です。
イカの寿司と言えばコウイカ!「コウイカの握り」
珍しくはないメニューです。回転寿司でもイカの寿司と言えばこのコウイカを使った寿司であることが多いです。どちらかというとちょっと硬めな印象があるかもしれませんが、ヤリイカなどよりも程よい甘さであるため、酢飯との相性がイカです。
硬さが気になるという場合は、表面に細かく隠し包丁を入れた鹿の子切りなどにすると食べやすいです。
イカ墨を活用!「コウイカのイカ墨パスタ」
よくよく考えると不思議な料理だと思います。
日本では黒い料理というのは好まれなかった傾向にあります。魚でも黒い魚というのはあまり好まれませんでした。
そんな時に1980年代にイタリアでイカ墨パスタがブームになり、日本にも「キワモノ料理」として広まりました。しかしそれからイカ墨には様々な栄養やうま味、さらには抗がん作用まであることが分かり、日本でもブームになりました。
(参考:口を真っ黒に汚してまでナゼ……かつて日本人が「イカスミ」にドはまりした理由 _ アーバンライフ東京)