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マガキ/真牡蠣

【通称・別名】カキ

「海のミルク」と呼ばれる世界中で人気のクリーミーな二枚貝

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お気に入り
マガキ(真牡蠣)の見た目の特徴
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主な旬
全長
20cm
身質
その他
漁期
通年
人気度
すごく人気!!
味の評価
とても美味!
希少性
たくさんいる
重要度
重要!
旬の時期
食味の良さ
産卵期
漁期
12/22
※各情報は平均的な指標であり、地域や個体によって異なります。
宮城県 岡山県 広島県 愛媛県 高知県 福岡県 長崎県 熊本県

マガキの名産地

多く出荷・流通している産地。または主な漁獲可能な産地。

マガキの基本情報
分類
外国名 Pacific Oyster, Japanese Oyster
学名 Magallana gigas
分布と生息域
に分布。
主な生息水深はあたりの
に生息。
漁法
寿命 天然は20年以上
危険性注意マーク 貝毒(麻痺性貝毒、下痢性貝毒)が発生することがある

ヽ Author ゞ

おびれ〃のプロフィール写真

おびれ〃

元魚屋・海鮮居酒屋店主。調理師です。当サイト制作者で管理人です。
お魚の情報を収集しています。
釣りは初心者です。

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マガキ【真牡蠣】は、「海のミルク」と呼ばれる世界中で人気のクリーミーな二枚貝です。そんなマガキの特徴や生態、旬の時期や食べ方・おすすめの料理などをご紹介しま
す!

マガキとはどんな貝?

マガキ(真牡蠣)
日本の冬の貝と言えばマガキ

マガキとは、世界中で養殖生産されているクリーミーな味わいが人気の二枚貝です。
栄養価が高く「海のミルク」と呼ばれている貝で、その人気は高く、日本のみならず世界中に広まり親しまれている貝です。
ちなみにマガキガイという貝がいますが、これはアクアリスト御用達の水槽お掃除で有名な貝で全く別の貝です(飼ってます)。

マガキは高タンパク低脂質で、亜鉛やミネラルなど栄養満点!

海のミルクと呼ばれるけど低脂肪

マガキの特徴としては、味わい以外にも高い栄養価があります。

マガキは高タンパクかつ低脂質であり、亜鉛などのミネラルが豊富で、肝臓の働きを助けるタウリンなどのアミノ酸含有量も多いです。

さらに特有なのがグリコーゲンという多糖類です。これは筋肉や肝臓に蓄えられるエネルギーの源であるため、カキを食べるとスタミナUPや疲労回復に効果的だと言われています。

紀元前1世紀頃から養殖が広まり、今ではほとんどが養殖

マガキの養殖風景
マガキの養殖場の風景。潮の流れを考えた配置になっている。

マガキの特徴としては、養殖業がとても盛んで、流通するほぼすべてマガキは養殖と言っても過言ではないほど、養殖に大成功した貝です。
日本のみならず世界中のあらゆる海で養殖されています。

ちなみに美食大国であるフランスでもマガキはたくさん養殖されて食べられていますが、フランスのマガキの先祖は日本の宮城三陸沿岸のマガキになります。1966年に宮城県から送られた種が定着しました。当時、さまざまな種を試したけどうまくいかず、日本のマガキだけがフランスで生着したとのことです。

(参考:C.P.A. _ フロマGのチーズときどき食文化

成長スピードが速く長生き

マガキの養殖がここまで広まったのには理由があります。
まず1つ目が養殖の難易度が低いということです。

マガキの養殖風景
海中に吊り下げて成長させる

マガキは汽水・広塩性があるなど、環境適応力がとても高い上に、掻い摘んで言ってしまえば、いかだ延縄はえなわ式で海中に吊り下げておくだけで生育ができるので、あまり人の手がかかりません。
逆にあまり手をかけないほうが良い貝です。
人の手が全くかかっていない天然のマガキの寿命は、少なくとも20年以上と言われています。

養殖マガキのサイクルは1〜3年ほどですが、環境が良い海であれば1年足らずで出荷できるサイズにまで成長します。そのためここまで養殖業が盛んなんですね。

マガキの見た目の特徴

マガキ

マガキは殻は厚く、左側の殻はお皿のように深くくぼみ、岩などに固着します。
右側の殻はフタのようになっており、薄く平たい形状をしています。後述しますが、イワガキと比較すると細長い形をしています。

たくさんのマガキ
広島のマガキ

サイズは殻長が20cmほどとなり、殻には紫褐色の成長肋せいちょうろくが放射状に入ります。この成長肋は強く波打ってヒダ状になるのが特徴的です。

マガキとイワガキの違い・見分け方

マガキ(真牡蠣)とイワガキ(岩牡蠣)
イワガキな名前の通り岩っぽい

マガキを語る上で外せないのが「イワガキ」という貝です。
同じカキではありますが、マガキは冬が旬なのに対し、イワガキは逆で夏が旬です。そのためイワガキは「夏ガキ」とも呼ばれます。

貝殻の形状が異なる

マガキとイワガキは貝殻の形状で見分けることができます。
マガキは細長い形状をしているのに対し、イワガキは全体に丸みがある岩のような形状をしています。
さらにイワガキのほうが殻が分厚く大きいです。
身の大きさは変わらないのに、殻はマガキの3倍くらい大きいイワガキというのもよくいます。

マガキの生態

マガキ(真牡蠣)

マガキは日本全土の浅海の岩礁域に生息しています。
貝殻を岩に固着してフタを開閉しながらプランクトンなどをエサとして取っています。

岩礁域・磯に生息する貝

岩礁域・磯場に生息する貝

日本の地形・気候が美味しいカキを育てる

日本で美味しいカキがとれる理由は、まさに日本の地形や気候に理由があります。
マガキは汽水域を好む貝です。
たとえば、カキの産地として有名な広島の海は内海であり、数多くの離島が存在する複雑な地形となっています。
また日本は雨が多く、陸地から海に流れ出る水には、大地の栄養が含まれており、それら栄養によって増殖した植物性プランクトンが豊富に存在します。それらプランクトンがマガキの栄養を与えます。

ただし栄養があまりにも多いと貝毒がたまりやすくなるため、有毒なプランクトンが発生する時期はカキを食べないようにする必要があります。(後述します)

宮城県松島湾のカキ養殖場
宮城県松島湾のカキ養殖場

三陸沿岸のリアス式海岸も同様です。複雑な地形が豊富な栄養をカキに与えてくれます。

日本の地形や気候が美味しいカキを育てるんだね!

マガキの産卵期

マガキの産卵期は地域差がありますが、主には春から夏(5月〜8月頃)です。
水温が暖かくなるとマガキは産卵を行うため、南日本のほうが産卵期は早く、北日本のほうが産卵期は遅い傾向にあります。

マガキには食べられない月がある「Rのルール」

マガキには加熱の有無関係なく、食べてはいけない月というものがあります。

マガキの産卵期は5〜8月なわけですが、英語で5月はMay、6月はJune、7月はJuly、8月はAugustです。これらの月にはある共通点があり「Rが含まれない」という点です。
実は5〜8月以外のすべての月にはRが付きます。そのことから「Rの付く月しかカキは食べてはダメ」というのがRのルールです。ただしこれは産卵期だけのことを言っているのではありません。

貝毒が危険

マガキは産卵期に生殖巣が肥大するため食用には向かないという理由があるのと、もう一つが「貝毒の危険性が高い時期」という理由があります。

有毒な危険性がある赤潮

二枚貝というのは植物性プランクトンをエサとしているわけですが、植物性プランクトンには有毒性が高まる時期があります。

主には3月頃から日照時間が長くなることで海水温が上昇しプランクトンが異常発生することで有害藻類が増殖します。
貝はプランクトンをエサとしているため、毒素を受け入れるしかありません。そのため毒素が体内に蓄積されてしまいます。

貝毒がやっかいなのは、加熱しても危険性が無くならないということです。
つまり対策としては、危険な時期は食べないようにするしかない、ということです。Rのルールというのはすべての地域に当てはまるわけではなくもちろん地域差があります。
そのためRのルールでは無く、産地のルールに従いましょう。

産地によっては、夏場でも安全なマガキが食べられたりします。

危険な時期以外でも常に体内に貝毒が溜まってしまうことがあるため、カキには「浄化」というものが行われます。これにより生食用カキというものが出回ります。(後述します)

マガキの旬

マガキ(真牡蠣)

マガキの旬は、地域によりズレがありますが、主には冬(11月から3月)の時期です。

この時期は、産卵で体力を消耗していたマガキが回復してきて、次の産卵に向けて栄養を蓄えている時期でもあるため、身がぷりっとしてよりミルキーで甘みが強くなります。

マガキの生食用・加熱用とは

新鮮なマガキの場合、やはりそのまま生食がおすすめです!ただ前述したとおりカキには貝毒の危険性があります。以前ノロウイルスが話題になったこともあったかと思います。

どんなカキが生で食べられるの?

マガキ(真牡蠣)

マガキに限らず二枚貝というのは、体内の中腸線などの消化器官に毒素を溜め込んでしまう性質があります。ホタテなども同じですね。
そのため、新鮮だから大丈夫という話ではないですし、加熱すれば安全という話でもありません。
貝毒というのは常に一定の危険性があります。でもマガキは生食したいですし需要も大きいです。

そのため「浄化」という作業が行われています。

マガキの浄化

マガキの浄化
綺麗な海水で一定期間蓄養する

実はマガキは常に大量の海水の取り込んで循環させているという特徴があります。
浄化はこれを利用します。
綺麗な海水(プランクトンがいない海水)が流れる人口的な場所で一時的にマガキを蓄養するという方法です。こうすることで体内の毒素が排出されます。さらには紫外線を照射して殺菌を行います。

このように浄化を行うことで生食用のマガキが流通するわけですね!

(参考:新鮮なものは生で食べても大丈夫?:農林水産省

加熱料理なら必ず加熱用のカキを買おう

スーパーで売られている加熱用のカキ。実は加熱用のほうが旨味がある。

ご存知の方も多いかもしれませんが、加熱するカキ料理を作るなら必ず加熱用のカキを買いましょう。

詳しくない人だと、なんとなく生食できるカキが新鮮で美味しいカキだと思いがちですが、先程説明した通り、生食用のカキというのは浄化作業が行われています。浄化期間中のマガキは絶食させられるため、どうしても身がやせ細り、うま味も低下してしまっています。

マガキの食べ方・おすすめの料理

牡蠣の殻を剥く
殻の縁は鋭くて危ないので気をつけよう!

それではマガキのおすすめの食べ方・料理について見ていきましょう!

マガキはこの調理方法が一番好き!「カキフライ」

カキフライ
カキフライが一番好きという人も多いはず

子どもっぽいと言われようが個人的にマガキの一番うまい食べ方はカキフライだと思っています。
前述したとおり、生ガキは少しだけ身が痩せてしまっていたり、うま味も低下してしまっていたりします。そして何よりカキの風味が浄化によって低減されてしまっています。

カキフライ
タルタルソースがうまい

しかし、加熱用のマガキを使ったカキフライは違います。
衣の中にマガキのうま味をすべて閉じ込めることができるんです!
牡蠣料理は後述する鍋料理でも良いのですが、やはりカキ本来のうま味を一つに凝縮する料理として、カキフライはとてもおすすめの調理方法です。サクッと噛んだ時に、中からじゅわ〜と溢れ出てくるマガキの濃厚なうま味がたまりません!

濃厚クリーミーな味わいが最高!「生ガキ」

マガキ(真牡蠣)

さんざんいろいろ話した後ですが、やはり生で食べると、マガキの甘みや旨み風味が存分に感じられます。
特にマガキ特有のクリーミー・ミルキーな感じというのは生食ならではの味わいでもあります。
レモンやスダチを絞って食べると、さっぱりと楽しめます!

生ガキがあれば焼きガキもある!「焼きガキ」

マガキ(真牡蠣)

生牡蠣があれば焼き牡蠣もあります。加熱用のマガキは焼き牡蠣にしましょう!
焼きすぎると美味しい汁が無くなったり、硬くなってしまうので気をつけましょう。

冬が旬だからこそ鍋は外せない!「カキ鍋」

牡蠣鍋
冬が旬のマガキだからこそ!牡蠣鍋

冬と言ったら鍋!鍋と言ったら牡蠣鍋!
カキは鍋に入れるだけでカキ特有の風味が鍋全体に広がります!体も温まり栄養も取れてヘルシー!言う事無しの健康的な万能鍋です。

プリン体いっぱい!通風注意!「マガキの通風鍋」

通風鍋
通風鍋

ヘルシーな鍋から一転して今度はプリン体を多く含む通風鍋を!
通風とは血中の尿酸濃度が高い状態が続くと引き起こされる病気です。ビール党の人は注意ですが、プリン体の多いものって美味しいですよね。マガキの他に外せないのはあん肝です。
他にはタラの白子や、ホタテ、エビ、などを入れて、味噌ベースの濃厚なスープで鍋にします!バターなんかを入れると最高に美味しいですよ! 

広島の伝統料理!「マガキの土手鍋」

牡蠣の土手鍋
牡蠣の土手鍋

土手鍋とは広島の郷土料理で、鍋の縁に味噌を土手のように塗って、その中に具材を入れて煮込む鍋料理です。名前の由来は他にも、考案した人が土手長吉という方だったからという理由や、広島のカキを大阪まで輸送する時に、川の土手で鍋を作って食べていたからという説があります。
広島のカキを食べるなら、是非土手鍋を作ってみたいですね!

(参考:かきの土手鍋 広島県 _ うちの郷土料理:農林水産省

オリーブオイルに牡蠣の風味が合う!「マガキのアヒージョ」

プリプリの牡蠣のアヒージョ
ぷりぷりの牡蠣のアヒージョ

鍋と同じように牡蠣の風味がオリーブオイルに広がって最高です!そんなオリーブオイルを、カリカリのバケットに染み込みませて食べるなんて、、もう幸せですよね笑

牡蠣のうま味がお米に浸透!「牡蠣飯・牡蠣ごはん」

牡蠣飯
牡蠣飯

煮るでも焼くでも美味しいですが、やっぱり牡蠣からでる旨味は少しも逃したくありません。
それであれば牡蠣飯がおすすめです!
マガキは醤油・酒とほんの少しの塩で煮立て、含め煮にします。
そのまま少し冷ますと牡蠣に味がより染み渡ります。そしてその煮汁と昆布出しでお米を炊き上げます。
最後に牡蠣を投入して蒸らして完成です!

牡蠣は白ワインとの相性が良い!マガキの白ワイン蒸し

牡蠣のワイン蒸し
白ワインとの相性がとても良い!

白ワインの酒蒸しです。
今日の晩酌は白ワインな気分だな〜と思ったら、白ワインの酒蒸しにしてみるのが良いでしょう!
カキに限ったことではありませんが、貝類は白ワインととても良く合います。
蒸した時の残り汁も楽しめるように、野菜などを敷いて置くとカキの風味と旨味が染み込んだ野菜も食べられるのでおすすめです!

おしゃれに殻ごと調理!「マガキのグラタン」

牡蠣グラタンと白ワイン
牡蠣グラタンと白ワイン

白ワイン次いでですが、カキグラランを作ってみるのもおすすめです!
グラタン皿は使わずにそのままカキの貝殻を使ってみましょう。

殻をグラタン皿として利用するので、通常のグラタン皿のような面倒な洗い物の心配がありませんよ!笑
人数がいる時は一人一個のように作りやすく、取り分ける必要も無いので、パーティーなどの時に作ってみるのも良いですね!

参考文献・参考Webサイト

以下は、いつもお世話になっている書籍・Webサイトや、今回参考にさせていただきました書籍・Webサイトになります。ありがとうございます!

【書籍】

  • 『おとな図鑑(2) おいしいお魚百科』藤原昌高監修,ぴあレジャーMOOKS編集部.
  • 藤原昌高(2013)『からだにおいしい魚の便利帳』高橋書店.
  • 学研の図鑑「水の生物(1995)」株式会社学習研究所
  • 池田 等「貝の図鑑&採集ガイド」

【Webサイト】

ヽ Author ゞ

おびれ〃のプロフィール写真

おびれ〃

元魚屋・海鮮居酒屋店主。調理師です。当サイト制作者で管理人です。
お魚の情報を収集しています。
釣りは初心者です。