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マテガイ/馬刀貝

【通称・別名】カミソリガイ

捕まえるのが楽しい!クセの無い二枚貝

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お気に入り
マテガイの見た目の特徴
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主な旬
冬〜春
全長
10cm
身質
その他
漁期
105
人気度
普通
味の評価
普通に美味
希少性
普通
重要度
…あまり
旬の時期
食味の良さ
産卵期
漁期
12/12
※各情報は平均的な指標であり、地域や個体によって異なります。
愛知県 三重県 山口県 長崎県 熊本県

マテガイの名産地

多く出荷・流通している産地。または主な漁獲可能な産地。

マテガイの基本情報
分類
外国名 razor clam
学名 Solen strictus
地域名 アチ、イタ、イタガイ、イテ、マテノガイ
分布と生息域
に分布。
主な生息水深はあたりの
に生息。
北海道南西部以南。
漁法
寿命 約10年

ヽ Author ゞ

おびれ〃のプロフィール写真

おびれ〃

元魚屋・海鮮居酒屋店主。調理師です。当サイト制作者で管理人です。
お魚の情報を収集しています。
釣りは初心者です。

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マテガイ【馬刀貝】は潮干狩りで捕まえるのが楽しいクセの無い二枚貝です。そんなマテガイの特徴や生態、旬の時期や食べ方・おすすめの料理などをご紹介します!

マテガイとはどんな貝?

マテガイ

マテガイとは、日本の海岸や干潟に生息する細長い円筒形の形をした二枚貝です。
貝殻の形がかみそりに似ているということから、「カミソリガイ」とも呼ばれます。英名もそのまま「razor clam(かみそり貝)」です。

細長い体が特徴的

マテガイ
こう見えても2枚貝

体長は10~15cmほどで細長い特徴的な形をしています。貝殻は薄く割れやすいです。
形だけ見ると、他の二枚貝とは大きく異なって見えますが、マテガイもちゃんとした二枚貝です。
生息方法は他の二枚貝と同じく砂泥に潜って生息しています。

砂泥地に住む貝

砂泥地に生息する主な貝類
形は特異だけど、生態は他の二枚貝と大体同じ。

体長は10cmほどで、細長い筒状の形状をしており、殻の色は薄い茶色・緑色や灰色です。貝殻の色は産地や成長度合いによって異なります。

大きさや色違いのマテガイ

あまり商業的に広まっている貝ではありませんが、潮干狩りでの採取が楽しい(後述)ということで、潮干狩りでは人気のターゲットでもあります。

オオマテガイという貝もいる

オオマテガイ
オオマテガイ

マテガイには、大きさ違いの「オオマテガイ」という種がいます。
市場的にはどちらかというと、オオマテガイのほうが過食部分が大きいことから重宝される傾向にあります。マテガイは細長いですが、オオマテガイはさらに太く長くなるといった感じですね。
色もマテガイより濃い傾向にあります。

マテガイの生態

マテガイを掴む

マテガイは、主に干潟などの砂泥地に生息しています。

潮が満ちている間は水管を出してプランクトンや有機物などのエサを摂取していますが、潮が引くと足を使って砂泥の中に縦方向に潜り込みます。

細長い形状のため潜りやすいのか、マテガイは数十センチと他の二枚貝よりも深く潜ることができるのが特徴です。形状からは想像しにくいですが、足の力が強くて移動スピードが速い貝です。

マテガイの産卵期

干潟

マテガイの産卵期は地域差がありますが、主に5月から6月とされています。
この時期になると、海水温が上昇して、マテガイなどの砂泥に生息する二枚貝の産卵に適した環境となります。

マテガイの潮干狩りでの獲り方

獲れたマテガイの写真

マテガイが人気の理由が、その特徴的な形はもちろん、「潮干狩り」が楽しいという理由があります。

マテガイには以下のような特徴があり、この特徴を利用してマテガイを採取します。

マテガイは水質や塩分濃度に敏感

掴んだマテガイ

マテガイというのは、水質や塩分濃度変化に敏感な貝です。
そのため、好まない水質の場所にはいません。

逆に好む水質の場所にはたくさんいたりするので、まずはポイントを探しましょう。
人がたくさんいる場所は貝が獲れているということなのでポイントとも言えます。

マテガイは塩分に敏感なため、塩を振りかけるとびっくりして飛び出してくるという性質を利用します。それでは手順を見ていきましょう!

  1. マテガイの穴を見つけて、少し掘ります。
    マテガイというのは深く潜る貝です。そのためまずは穴の表面をスコップで削りましょう。
    穴が深いと塩がマテガイまで届きませんので、穴を浅くするイメージですね。
    あんまりガシガシ掘ると穴が分からなくなることもあるので、サクッと穴の上の砂を削りとるような感じです。そうするとマテガイの穴がはっきりと分かります。
  2. マテガイの穴に塩を振りかけるマテガイの穴に塩を入れます。
    穴の中に塩を入れます。あんまり少ないと出てこないので、少し多めで良いです。
  3. 出てきたマテガイを手で掴むマテガイが飛び出してくるので掴みます。
    塩を入れて少しするとマテガイがにゅにゅっと穴から出てきます。
    そうしたらマテガイを手で掴みます。
  4. 掴んだマテガイを引っ張り出すあまり強く掴まないようにゆっくり引っ張ります。
    マテガイは殻が薄くて割れやすいです。また、身も細長いのであまり強く掴むと殻が割れたり身が崩れたりしてしまいます。そのため優しく掴んでゆっくりと引き出してあげましょう。
マテガイ捕獲!
マテガイ捕獲完了!

マテガイの旬

ボールに入っているマテガイ

マテガイの旬は、地域差がありますが、一般的には冬から春の時期で、特に産卵期前の4月頃がベストとされています。

産卵期前のマテガイは栄養をたっぷりと蓄えているため美味しいです。

マテガイの食べ方・調理方法

マテガイの食味の特徴はとにかくクセが無いということです。
アサリやハマグリのような濃厚なうま味というのはありませんが、クセが無いため、どのような料理にもしやすいという特徴があります。

マテガイの砂抜き方法

砂抜き中のマテガイ
マテガイの砂は抜きやすい

マテガイは他の二枚貝のように砂を噛むということが無いため、あまり砂抜きが必要ないと言われていますが、それでも砂の中で生活しているため、体内に砂を含んでいる場合があります。そのため調理する前には砂抜きをしましょう。砂抜き方法は一般的な二枚貝と同じです。

  1. ボウルやバットに3%程度の塩水(海水と同じ塩分濃度)を作ります。
  2. マテガイを塩水に浸し、暗所に2~3時間ほど置きます。冷蔵庫など寒いところに入れると砂を吐かないので注意してください。
  3. 真水で貝の隙間などをよく洗い流して完了です。念の為殻を外してからも洗ったほうが確実ですが、あまり長時間真水にさらすとうま味が低減するので気をつけましょう。

砂抜き後は殻を外して調理します。

マテガイのおすすめの料理

それではマテガイのおすすめの料理を見ていきましょう!
オオマテガイなどであれば、身が大ぶりなので寿司ネタなどにもされますが、マテガイは身が細く小さいので、以下のような料理がおすすめです。

定番の食べ方!「マテガイのバター焼き」

マテガイのバター炒め

ハズレの無い食べ方です。アサリバターのように殻付きのまま調理したりもします。
焼き方はフライパンでバターを熱し、マテガイを炒めて軽く醤油で味付けして完成です!

マテガイの酒蒸し

剥いたマテガイ

アサリの酒蒸しと同じ作り方です。フライパンなどにマテガイを入れて、日本酒を加え、フタをして蒸し焼きにします。殻をいちいち外すのが面倒だと言う場合は酒蒸しが手っ取り早いですね!
バターを入れてもいいですし、アヒージョなんかにしても良いと思います。

参考文献・参考Webサイト

以下は、いつもお世話になっている書籍・Webサイトや、今回参考にさせていただきました書籍・Webサイトになります。ありがとうございます!

【書籍】

  • 荒賀忠一,望月賢二,中坊徹次,小西和人,今井浩次,小西英人著編集(1995)『新さかな大図鑑―釣魚 カラー大全』株式会社週刊釣りサンデー.
  • 小西英人(2018-2021)『釣魚1400種図鑑』株式会社KADOKAWA.
  • 石川皓章著(2010-2019)『海の魚 大図鑑』瀬能宏監修,隔週刊つり情報編集部編,日東書院本社.
  • 『おとな図鑑(2) おいしいお魚百科』藤原昌高監修,ぴあレジャーMOOKS編集部.
  • 藤原昌高(2013)『からだにおいしい魚の便利帳』高橋書店.
  • 学研の図鑑「水の生物(1995)」株式会社学習研究所

【Webサイト】

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おびれ〃

元魚屋・海鮮居酒屋店主。調理師です。当サイト制作者で管理人です。
お魚の情報を収集しています。
釣りは初心者です。