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アカガイ/赤貝

赤い身が特徴!江戸前寿司でも代表的なネタ

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お気に入り
アカガイ(赤貝)の見た目の特徴
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主な旬
冬〜初春
全長
1012cm
身質
その他
漁期
夏〜秋
人気度
人気!
味の評価
極上の美味!!
希少性
少し珍しい
重要度
重要!
旬の時期
食味の良さ
産卵期
漁期
12/12
※各情報は平均的な指標であり、地域や個体によって異なります。
宮城県 千葉県 東京都 愛知県 三重県 大阪府 長崎県

アカガイの名産地

多く出荷・流通している産地。または主な漁獲可能な産地。

アカガイの基本情報
分類
外国名 Blood clam
学名 Anadara broughtonii
地域名 蚶(きさ)
分布と生息域
に分布。
主な生息水深はあたりの
に生息。
漁法
寿命 約10年
危険性注意マーク A型肝炎ウイルス感染リスクがある。

ヽ Author ゞ

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おびれ〃

元魚屋・海鮮居酒屋店主。調理師です。当サイト制作者で管理人です。
お魚の情報を収集しています。
釣りは初心者です。

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アカガイ(赤貝)とはどんな貝? アカガイ(赤貝)とは、日本では江戸前寿司の代表的なネタとして人気の最大で10〜12センチほどになる二枚貝です。貝殻の表面には放射状のスジが約42本(数が決まっています)あります。似ている貝 […]

アカガイ(赤貝)とはどんな貝?

アカガイ(赤貝)
オレンジ色・赤色の身が特徴!

アカガイ(赤貝)とは、日本では江戸前寿司の代表的なネタとして人気の最大で10〜12センチほどになる二枚貝です。貝殻の表面には放射状のスジが約42本(数が決まっています)あります。
似ている貝でサルボウガイがありますが、サルボウガイはスジが約32本と異なります。

寿司ネタとして人気

アカガイ(赤貝)のお寿司
赤貝と言えば寿司

食味とコリコリとした肉質の良さから寿司の高級ネタとしても親しまれる赤貝ですが、その名の通り、身はオレンジ色、そして赤い血液を含んでいるため赤貝と呼ばれます。

なぜ赤貝は赤いの?

開いたアカガイ(赤貝)
真っ赤な血を含んでいる赤貝

ほとんどの貝類は、甲殻類と同じく銅を含んだ血液のため、血の色は青い血になります。
しかし、アカガイは脊椎動物がもつヘモグロビン系を含んでいるため、まるで人と同じように真っ赤な血の色をしています。

貧血気味の人におすすめの貝

アカガイはその血液の特徴から、ビタミンB12や鉄分を多く含むため、貧血気味の人におすすめの貝だと言えます。

女性におすすめの貝とも言えるかも。

生命力が強いアカガイ

赤い血液を持つアカガイは、ヘモグロビンのおかげで酸素を運ぶ力が強いのが特徴です。
そのため酸素が少ない砂泥でも酸素欠乏症などになりにくく、他の二枚貝と違って水管もありません。水管が無いため、他の貝よりもあまり砂の中に潜りません。

砂泥地に生息する貝類

砂泥地に生息する主な貝類
アカガイは水管が無い

外套膜の縁を使って砂に穴を開けて、そこから海水を取り込んで呼吸しているよ。だからあんまり潜らない貝でもあるよ。

酸素欠乏に強いアカガイは、殻を剥いてもとりあえず血の中に入れておけば生きていられるということで、僕が魚屋の時はまずはひたらすら剥いて血溜まりの中にまとめて入れてました。

アカガイ(赤貝)の生態

アカガイ(赤貝)
生時は黒い外皮に覆われている

アカガイは、日本各地から中国・韓国、東アジア沿岸の西部太平洋域に分布しています。
比較的浅い海底の砂泥地に生息しており、海中のプランクトンや有機物を取り込んで生きています。

昔は東京湾でもたくさん獲れていて、江戸前寿司の定番のネタでもあったアカガイですが、近年は開発などにより急激に数を減らしました。
そのため国産のアカガイはとても希少で高級となっています。
現在は中国や韓国からの輸入が多くなっています。

アカガイの産卵期

干潟

アカガイの産卵期は主に初夏(5月〜7月頃)とされています。
この時期にアカガイのメスはピンク色の卵を産卵し、そこにオスが精子をかけられることで受精します。孵化後幼生は海中を漂い、1ヶ月ほどで海底を歩ける稚貝まで成長します。
それから数ヶ月かけて成貝へと成長していきます。

アカガイの寿命は長めで、約10年ほど生きると言われています。

アカガイ(赤貝)の旬

アカガイ(赤貝)
旬は冬から春の産卵期前の時期

アカガイの旬は地域差がありますが、主には冬から初春ほどとされています。
旬の時季が漁期でもあるため、漁獲量も増えます。

夏の産卵期はどうしても卵に栄養が集中したり、体力を消耗するため、身も痩せてしまいます。

しかし冬から春の時期のアカガイは産卵に備えて栄養を蓄えるため、身が締まっていて味が良く、磯の風味も良くなります。

そもそも貝類は個体数を維持するために産卵期は禁漁期間でもあるため、旬の時期以外で食べる場合は輸入や冷凍などに頼る必要があります。

アカガイ(赤貝)のおすすめの食べ方・調理方法

アカガイと言えばやはり生で食べるというイメージが強いです。
コリコリとした食感が良く磯の風味も感じられ、何より鮮やかなオレンジの色合いが美しくて、食卓を彩るという理由からも、まずは生で食べたい貝と言えます。

高級な貝だからこそ、やっぱ生で食べたいよね!

アカガイのコリコリ食感を堪能!「アカガイの刺身」

アカガイ(赤貝)のお刺身
見た目が美しい!アカガイの刺し身

新鮮なアカガイを食べるならまずはお刺身!色味は赤色が濃いほどおすすめです。
コリコリとした食感と、濃厚な甘味、そしてアカガイ特有の磯貝の風味が口と鼻の中にぶわっと広がります!

ヒモ・肝がおいしいから絶対食べよう!

アカガイ(赤貝)のお刺身

アカガイの身だけではなく、ヒモや肝もとっても美味しいので食べるようにしましょう!
肝はボイルして冷水にさらすなどして加熱して食べましょう。
肝はあたりやすいので、肝を食べる時は必ず加熱するようにしてください。

江戸前寿司の代表ネタ!「アカガイの握り寿司」

アカガイの寿司
食べやすく・甘味を感じやすくするために切り込みを入れよう

やはり外せないのがにぎり寿司です。
江戸前寿司と言えばアカガイと言われるほど定番のネタでもあるため、アカガイの握りは外せません!
コリコリとした食感が強いアカガイのため、シャリとよく馴染むように切り込みを入れるのがおすすめです。
濃厚な甘いとアカガイ特有の風味が、醤油ととても良く合います!

アカガイ(赤貝)の紐握り

寿司でも貝紐握りを試して見ましょう!貝柱の甘味と貝紐のコリコリ感がたまりません!身よりもヒモのほうが好きという人がいるくらいです。

上品な味わい!おつまみに最適な「アカガイの佃煮」

アカガイの時雨煮(佃煮)

アカガイは煮物にも最適です。アカガイは剥いて塩でよく洗い、醤油、酒、みりん、砂糖で甘辛く煮付けましょう!お酒の肴やご飯のおかずにぴったりなアカガイの佃煮の完成です!

参考文献・参考Webサイト

以下は、いつもお世話になっている書籍・Webサイトや、今回参考にさせていただきました書籍・Webサイトになります。ありがとうございます!

【書籍】

  • 荒賀忠一,望月賢二,中坊徹次,小西和人,今井浩次,小西英人著編集(1995)『新さかな大図鑑―釣魚 カラー大全』株式会社週刊釣りサンデー.
  • 小西英人(2018-2021)『釣魚1400種図鑑』株式会社KADOKAWA.
  • 石川皓章著(2010-2019)『海の魚 大図鑑』瀬能宏監修,隔週刊つり情報編集部編,日東書院本社.
  • 『おとな図鑑(2) おいしいお魚百科』藤原昌高監修,ぴあレジャーMOOKS編集部.
  • 藤原昌高(2013)『からだにおいしい魚の便利帳』高橋書店.
  • 学研の図鑑「水の生物(1995)」株式会社学習研究所

【Webサイト】

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おびれ〃

元魚屋・海鮮居酒屋店主。調理師です。当サイト制作者で管理人です。
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