ウバガイ(ホッキガイ)とはどんな貝?
ウバガイ(ホッキガイ)とは、日本では東北など北日本を代表する美味しい大きめの二枚貝です。
一般的には「ホッキガイ」と呼ばれる
魚介でややこしいのが標準和名と一般的な通称が異なることですよね。ウバガイもそのひとつです。
一般的にはホッキガイと呼びます。僕もホッキガイ・ホッキとしか呼びませんし、ほとんどの人がそうだと思います。
しかし、標準和名はウバガイという名前です。まぎらわしい笑
ホッキガイという呼び方はアイヌ語の「ポクセイ」に由来しています。
ホッキガイは北海道や東北地方などの北方よりに生息する貝のため、ロシア、アイヌの由来があります。
漢字では「北寄貝」と書くことから北よりの貝という意味がありますね。
30年以上生きる長寿の貝
ウバガイとは漢字で姥貝と書きます。これはホッキガイが30年以上生きる長寿の貝だからこのような名前がつけられたと言われています。
ウバガイ(ホッキガイ)の特徴
ウバガイ(ホッキガイ)は、貝の殻は三角形で、表面は茶色や黒色の殻皮で覆われています。
殻長部分は白っぽくなっており、成長肋で土の層のように色分けがされています。
ホッキガイの大きさ
ホッキガイは大きめの二枚貝です。
平均的な大きさは約10~15cmほどになり、殻は厚みがあって丸く膨らみがあるのが特徴です。
ホッキガイは砂泥地に潜るように生息しているため砂を噛んでいることが多いです。
開いた時の身の色は黒・紫褐色ですが、加熱することにより鮮やかな紅色になるのが特徴的です。
加熱すると鮮やかな赤ピンク色になるよね!甘みも増すよ!
ウバガイ(ホッキガイ)の生態
ホッキガイは、冷たい海域の砂泥底に生息しています。
水深は30メートルほどの浅い海に多く見られ、砂底に潜り水管を海中に出して生活しています。
水管からプランクトンなどのエサや海水を取り込んで、呼吸や栄養を取っています。
長生きだけど成長も遅い
ホッキガイは30年生きる長生きの貝ですが、成長が遅いのも有名です。
1年で1センチほどしか大きくならず、市場に出回るまでのサイズ(10cm近く)になるには、約5年はかかると言われています。そのため養殖などが難しい貝だと言われています。
長生きするけど、成長も遅いんだね
ホッキガイの産卵期
ホッキガイの産卵期は、初夏から夏(5月〜8月頃)になります。
そのためこの期間は禁漁期間となり水揚げされないことが多いです。主には5、6月は禁漁でそのほかの時期は水揚げされます。
ホッキガイは雌雄異体で、メスが海中に産卵を行い、オスがそれに向かって精子を振りかけることで受精卵となります。その後卵は海中を漂い孵化し、幼生時期を過ごしてから自然と貝の形へと成長していきます。
ホッキガイの旬
ホッキガイの旬は、一般的に冬から春(12〜5月頃)とされています。
これは産卵を終えて体力を消耗したホッキガイがエサを食べて回復してくるのが12月頃であり、さらに産卵に備えて栄養を蓄えるため、産卵期前の時期が旬となります。
冬の時期は寒さで身が引き締まり、甘みも強くなる傾向にあります。
ホッキガイの食べ方・調理方法
ホッキガイは、さまざまな食べ方で美味しく食べられる貝だと言えます。
主には生で食べるか、加熱して食べるかで味わい方が変わります。
生で食べるか加熱するかで味わい方が変わる
ホッキガイは生の状態だと紫褐色な身の色をしています。貝らしい磯の風味があるのも特徴です。
一方、加熱することにより見た目的に美しく鮮やかな色となり、甘みも増します。
ホッキガイの貝柱は弱いため、洋食ナイフなどで比較的簡単に外せます。
砂については、内蔵などにも含まれていることがあるため、アサリのような砂抜きでは完全には抜き取れません。そのため砂は剥いてから洗って取り除くようにしましょう。
浜焼きなどにする場合も、ホタテのように剥いた状態でそのまま焼くのではなく、ウロ(中腸線)などを取り除いて洗ってから、食べやすくカットして焼くのがおすすめです。
ホッキガイのおすすめの料理
ホッキガイは、いろいろな料理にアレンジできますが、特におすすめの料理は以下の通りです。
生でも湯引きでも美味しい!「ホッキガイのお刺身」
見た目的には正直湯引きした時のほうが綺麗ですが、湯引きをすると少し貝の風味が損なわれるというか和らぎます。あくまで好みですが、ホッキガイ特有の磯の風味をダイレクトに味わいたいというのであれば、生のホッキガイのお刺身がおすすめです!
生のままだと少し磯臭いと感じたり、より甘み豊かな味わいを求めるのであればさっと加熱しましょう!
茹でるのではなく、さっと湯に通してピンク色に変わったら素早く氷水に入れて冷やします。
鮮やかなピンク色が美しい!「ホッキガイのお寿司」
お寿司も生か加熱かで好みが変わるかもしれません。
ただホッキガイは加熱すると身の色が美しくなり、甘みも増して万人受けしやすい味になるので、加熱されたお寿司のほうが多い印象です。
浜焼きも美味しい!「ホッキガイの浜焼き」
膨らみがある貝殻なので焼きやすいですね!
もちろんバターを入れても最高です!前述したとおりウロなどに砂を含んでいることがあるため、浜焼きにする場合もむき身からウロなどを取り除いて綺麗に洗って、食べやすくカットしてから焼くのがおすすめです。
東北の名物!「ほっき飯」
ホッキガイというと、北海道や東北地方では、ホッキガイの煮汁で炊き込んだ「ほっき飯」という人気の郷土料理があります。
剥いたホッキガイを醤油ベースのタレで煮込んで一旦身を取り出し、煮込んだ煮汁を使ってお米を炊き上げます。そうすることで、ホッキガイの旨味をすべてご飯に染み込ませることができ、香り高い美味しい「ほっき飯」が完成します!
(参考:ほっきめし 宮城県 _ うちの郷土料理:農林水産省、ほっきめし 福島県 _ うちの郷土料理:農林水産省)
サクッとジューシーな甘み!「ホッキガイの天ぷら」
ホッキガイと言えば、おすすめなのは天ぷらでもあります。
外はサクッと中プリプリジューシーで、良い感じにホッキガイの風味が衣の中に閉じ込められます。
噛んだ瞬間にホッキガイの風味が鼻を通り抜け、咀嚼するごとにサクサクとした衣の食感とホッキガイの甘みが口の中に広がります!
ホッキガイ水揚げNo.1の町から生まれた「ほっきカレー」
ホッキガイの食べ方として有名なのが、ホッキガイ水揚げ日本一でもある北海道苫小牧市名物の「ほっきカレー」です!ぷりぷりしこしこのホッキガイの身はカレーとの相性がバツグンです!
というか苫小牧市はカレー好きってイメージがありますね笑
カレーラーメンとかもありますし。