ナミガイ(シロミルガイ)とはどんな貝?
ナミガイとは、水管がとても長く、白ミルという呼び名でミルクイの代用とされる二枚貝です。
水管の部分は美味しく、お刺身やお寿司などのネタとして広く親しまれています。
元々は「ミルクイ(黒ミル)」が瀬戸内海などで獲れて寿司ダネとして親しまれていたのですが、数が減少してきたことにより、ナミガイが代用されることが多くなりました。
ミルクイはあまり見かけないけど、ナミガイ(白ミル)はよく見かけるといった状態になってきています。ちなみに、ミルクイやナミガイは総称して「みる貝」と呼ばれます。
白ミル貝と呼ばれることが多い
標準和名はナミガイです。
これは殻に波のような模様が付いているからナミガイと言われるようになりました。
ただ、前述したとおり「ミル貝」でも、ミルクイやナミガイがいるため、それらを区別するためにミルクイは「黒ミル」、ナミガイは「白ミル」と呼称されることが多いです。
ナミガイはアメリカにも生息しており(アメリカナミガイ)、日本に多く輸入され、回転寿司の「みる貝」として利用されています。
ミルクイ(黒ミル・本ミル)は以下のようにオレンジっぽい色をしていることがあります。色は産地によってことなり、カナダ産のミルクイは以下のようにオレンジ色が強い傾向にあります。
水管の先端に海藻(ミル)が生えることがあるから「ミルガイ」と呼ばれる
主にはミルクイ(本ミル・黒ミル)ですが、ミルクイは先端の水管を海中に出してじっとしているため、水管部分に海藻の「ミル」が生えることがあります。
これがまるで「ミルを食っているように見える」ことからミルクイ(海松食)・ミルガイ(海松貝)と呼ばれます。
シロミルガイにも生えるのかは見たことがないので分かりません。
(参考:ミルクイ – Wikipedia)
ナミガイ(白ミル)の特徴
ナミガイの特徴としては、なんと言っても貝殻から出ている非常に長い「水管」でしょう。
この水管は、貝類のなかでも特に長いです。
殻長は約10cmほどが多いですが、水管はその3倍以上(3、40cm)にもなります。他の貝と違ってあまりにも長いためこの水管は殻の中に収めることができません。
と言いますか、ナミガイは殻も他の二枚貝のようにピタッと閉じることができません。そのため左右の外套膜は融合して一つになっており異物の侵入などを防いでいます。
ただ貝殻があまり貝殻の役割をしていないのがおもしろいですね笑
ナミガイ(白ミル)の生態
ナミガイは、主に北海道から九州にかけての日本の水深30m以浅の浅海の砂泥底に生息しています。
日本以外では、オホーツク海、サハリン、太平洋沿岸からアメリカ、メキシコまで広く分布しています。
白ミル貝の産卵期
ナミガイの産卵期は、地域によって異なりますが、主には5〜6月頃の初夏の時期と言われています。産地によって産卵期が異なるので一概に断定はできませんが、ミルクイも同じです。瀬戸内海のミルクイは10、11月頃にも産卵期があると言われています。
シロミルガイの寿命はなんと最高160年
真偽のほどは定かではありませんが、貝の寿命というのは貝殻の成長肋などを見ることで推察できるとのことで、調べた結果シロミルガイの最高寿命はなんと160年ほどらしいです。
ミルクイは10〜15年なのに対し、ナミガイは最低でも100年は生きるということで、とんでもない長寿ですね。
貝は人間よりも長生きするものが多いよ!最高だと507歳まで生きたアイスランドガイがいるよ。
(参考:地球上で最も長生きする10の動物_らばQ)
白ミル貝の旬
シロミルガイの旬は12月〜4月頃で、主には春(2〜4月)の時期とされます。
この時期がナミガイの産卵期前となるため、産卵に備えて身に栄養を蓄えているので美味しくなります。
また水温が低い時は、水管が引き締まり甘みが増します。
シロミルガイの食べ方・調理方法
シロミルガイの水管は、甘くシコシコした食感が特徴です。
やはり活けのものはお刺身やお寿司など、生食したいですが、生食以外でもおすすめの貝です。
さばき方は簡単で貝殻も脆く簡単に取れます。
食べるのは主に水管部分ですが、ヒモや貝柱部分も食べれます。
水管部分は膜に覆われているため、10秒ほど軽く湯に通して氷水に入れて膜を剥きます。
引っ張るとするっと抜けます。余談ですが膜を抜く時ですら変な想像になりやすいのがこの貝の特徴です。シロミルガイのこの手の話題は、散々ネットでおもちゃとして扱われているのでこの記事では語りません笑
水管の中には砂が残っていることがあるので、開いてよく塩もみして洗いましょう。
加熱する場合は、あまり加熱しすぎると少し硬くなってしまうため、軽く火を通す程度が良い貝でもあります。
また、ナミガイを食べる前に水管をきれいに洗い、ぬめりを取ることが大切です。これをすることで、より美味しく食べることができます。
シロミルガイのおすすめの料理
やはり食感を楽しみたい貝なので、お刺身やお寿司が一番だと思います。
加熱料理でも良いのですが、あまり加熱すると固くなりやすいです。逆に食感を出したいのなら少し長めに加熱するなど工夫してみると良いかもしれません。
ナミガイ特有の食感を楽しもう!「シロミルガイの刺身」
ナミガイの水管部分を食べます。
食べやすいように縦方向に隠し包丁を入れます。水管の湯通し時間で食感を調整することもできます。
このシコシコ食感がとっても美味しい!
お刺身が美味しいのだからもちろん寿司もうまい!「シロミルガイの握り」
包丁の入れ方や、炙ったりなどの加熱の加減で味わいが変わるので模索してみましょう!
包丁を細かく入れればシャリ馴染がよくなりますが、入れすぎると大切な食感が損なわれる場合もあります。