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トヤマエビ/富山蝦

【通称・別名】ボタンエビ

本種こそボタンエビ!生食エビの王様と称されるほどの旨さ!

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トヤマエビ(ボタンエビ)の特徴
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主な旬
冬〜春
全長
17cm
身質
その他
漁期
冬〜春
人気度
人気!
味の評価
極上の美味!!
希少性
少し珍しい
重要度
普通
旬の時期
食味の良さ
産卵期
漁期
1/4
※各情報は平均的な指標であり、地域や個体によって異なります。
北海道 新潟県 富山県 石川県 福井県

トヤマエビの名産地

多く出荷・流通している産地。または主な漁獲可能な産地。

トヤマエビの基本情報
分類
外国名 Coonstriped shrimp
学名 Pandalus hypsinotus Brandt, 1851
地域名 ボタンエビ、シロエビ、タラエビ、オオエビ、ダイエビ
分布と生息域
に分布。
主な生息水深はあたりの
に生息。
漁法
寿命 8年ほど

ヽ Author ゞ

おびれ〃のプロフィール写真

おびれ〃

元魚屋・海鮮居酒屋店主。調理師です。当サイト制作者で管理人です。
お魚の情報を収集しています。
釣りは初心者です。

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トヤマエビ(ボタンエビ)は、生食エビの王様と称されるほどの旨さで有名なエビです!。そんなトヤマエビの特徴や生態、旬の時期や食べ方・おすすめの料理などをご紹介します!

トヤマエビ(ボタンエビ)とはどんなエビ?

トヤマエビ(ボタンエビ)

トヤマエビ(ボタンエビ)とは、タラバエビ科に属するエビで、一般的には「ボタンエビ」と呼ばれて流通しているエビです。

ボタンエビとはトヤマエビのこと?

少し混乱するような話ですが、本種の標準和名はあくまで「トヤマエビ」であり、ボタンエビではありません。実はボタンエビというエビは別種でいます。
トヤマエビという名称はほとんど知られておらず、魚屋でも知らない人も多いんじゃないかと思うくらい認知されていません。

ボタンエビ
これが正式な標準和名が「ボタンエビ」というエビ。朱色の模様が牡丹に見える。
ボタンエビ
ボタンエビ
トヤマエビとは反対に太平洋側にしか生息しないボタンエビ!

見た目も似ていますが、実はこのボタンエビは数が少なくあまり流通しません。

ボタンエビの代用としてトヤマエビが使われたのか、もともとはトヤマエビが本家ボタンエビだったのか、人ぞれぞれ諸説があり真実は分かりませんが、トヤマエビは味が良く、数も多かったことから人気が出て広まり、ボタンエビという名前が定着したと考えられます。

トヤマエビをボタンエビと呼称することは消費者庁も認可していることなので問題もありません。

ちなみにトヤマエビという名称は、最初に研究採取された場所が「富山湾」だったため「トヤマエビ」と名付けられました。

生食エビの王として君臨する高級エビ

トヤマエビ(ボタンエビ)

トヤマエビ(ボタンエビ)といえば刺身か寿司としか考えられないほど、国産トヤマエビは生食が最高に美味しいことで有名です。
エビの刺身ではボタンエビが一番美味いという人もいます。
少なくとも甘エビよりは味が上で、タラバエビ科の中でTOP3に入る美味しさと言われています。
そのためお値段も高級価格であるため、高級店でしか出会えなかったりもします。

トヤマエビの見た目の特徴

トヤマエビ(ボタンエビ)

トヤマエビの体長は平均的には17cm前後で大きいものは20cm以上ほどになるなど比較的大きくなるエビです。

朱色の縞模様しまもようと白い斑紋はんもんが目立つ

橙褐色とうかっしょく(オレンジ色)の体色に、腹節の背中側には朱色の縞模様が入っているのが特徴的です。

オレンジ色の体に入る白い斑紋が目立つ
オレンジ色の体に入る白い斑紋が目立つ

さらに他のエビと区別しやすい特徴として、頭胸甲や腹節甲のおなか側に白い斑紋はんもんがあるのが本種の特徴です。似たような色やサイズのエビはいくつもいますが、この特徴で簡単にトヤマエビだと見分けることができます。

紅白の縞模様しまもようで縁起ものとされる

トヤマエビ(ボタンエビ)
水槽の中のトヤマエビ。歩脚の縞模様が目立つ。

生時だとわかりやすいですが、歩脚や触角にも赤白の縞模様があるのがわかります。
このような縞模様は「紅白」模様として縁起が良いとされ、お祝いごとや伝統行事などに人気があります。

トヤマエビ(ボタンエビ)の生態

トヤマエビ(ボタンエビ)
バシバシ!ビシビシ!ワサワサ!

トヤマエビ(ボタンエビ)の名産地・分布エリア

トヤマエビという名前からして富山県が名産地かと思いがちですが、漁獲量が多いのは北海道です。
もちろん富山湾でも獲ることができ、主には日本海側の丹後から北海道までの範囲に生息しています。

特に北海道の噴火湾を中心とした南部太平洋、留萌るもい沖、後志しりべし沖に広く分布しています。
(参考:トヤマエビ[富山蝦] – 水産林務部森林海洋環境局成長産業課

日本国外では、朝鮮半島東岸・沿海州・サハリンまでにかけての日本海、オホーツク海・ベーリング海からピュージェット湾までと北太平洋に分布しています。

トヤマエビの生息水深

分布エリアからもわかるように、トヤマエビは寒海性かんかいせいです。
生息水深は100~200mの海底が多いとされますが、300〜500mにも生息していることがあると言われ、深海性も持ち合わせています。

性転換するエビ

トヤマエビの特徴として性転換を行います。
トヤマエビ以外にも甘エビ(ホッコクアマエビ)やホッカイエビ(ホッカイシマエビ)なども性転換を行います。

リンク先が見つかりません。

ホッカイエビ
ホッカイエビ
風力で漁獲!アマモを住処にする北国初夏の風物詩

トヤマエビは、4歳頃まではオスで、4歳半でメスに性転換します。そのため体長が大きいものほどメスであると言えます。

なぜ性転換するのかと言えば、種を存続させるための工夫だと言えます。

トヤマエビの産卵

トヤマエビ(ボタンエビ)の卵
トヤマエビ(ボタンエビ)の抱卵。寿司に乗っけて食べてもおいしい。

4歳半でメスに性転換したトヤマエビは、5歳で1回目の産卵を行います。
1年ほど抱卵ほうらんを続けて卵が孵化するまで守ります。孵化した赤ちゃんは幼生として海中を漂いながら成長を続け稚エビへと成長していきます。

1回目の産卵を終えたトヤマエビは、その後1年間は抱卵せずに7歳になると2回目の産卵を行い、また1年ほど抱卵を続け、孵化した後、8歳頃に寿命を迎えます。卵の数は500〜2000個と言われています。

約8年間の人生で2回だけ産卵活動を行うということだね

トヤマエビの産卵期

トヤマエビの産卵期は、地域によって異なると言われています。
北海道で言えば日本海側は4月~6月、釧路沖では5月~6月、噴火湾では7月~9月、オホーツク海では4月~8月頃とされています。

このように産卵期がバラバラです。
産卵期は旬に影響を与えるため、旬の時期にもズレが生じます。

トヤマエビは漁獲量が減ってきており、湾によっては危機的状況にあるため資源管理が大切となっています。

漁獲量が減ってきていることを考えると抱卵しているトヤマエビって本当に貴重だよね。

トヤマエビ(ボタンエビ)の旬

トヤマエビ(ボタンエビ)

トヤマエビの旬は、産卵期が地域によって異なり漁期も違うため、それぞれの地域でズレがあります。
ただ、基本的に産卵期が春頃から始まるということで、その少し前の時期、つまり冬から春(2〜4月頃)が主な旬であるとされています。

旬は2回あるとされる

主な旬は冬から春の時期ですが、それは主にオスの場合とされています。
抱卵している子持ちのメスの場合は秋頃が美味しいと言われます。

トヤマエビの食味

トヤマエビ(ボタンエビ)の握り
トヤマエビの握り!えび味噌も濃厚で美味しいから必ず食べよう!

トヤマエビは、アマエビと同じタラバエビ科です。
そのため甘みや旨味が濃厚で強烈です。えび味噌にも濃厚な味わいがあります。
もちろんアマエビもよりも大きいため、食感もぷりぷりとした弾力があり、刺身や寿司以外にも塩焼きや天ぷらなどを楽しむことができます。

トヤマエビ(ボタンエビ)の食べ方・おすすめの調理方法

トヤマエビの調理方法としてですが、やはり貴重な高級エビであり、生食の王とまで言われるエビなので、生食がおすすめです!

トヤマエビ(ボタンエビ)のお刺身

残った頭の殻や尻尾は素揚げして食べても美味しいですね!
僕はそのまま頭も尻尾も全部食べてしまうことがほとんどです。

トヤマエビ(ボタンエビ)の海鮮丼
海鮮丼にボタンエビが乗っていると一段と豪華に!

海鮮丼やお寿司ももちろんおすすめです!

ボタンエビの握り
おなか側を上にしたボタンエビの握り

エビのお寿司には腹側を上にするパターン、背側を上にするパターンの2つがあります。どちらでも良いですが、見た目や食べ方を考えてみると良いかもしれません。
たとえば卵を乗せる場合は、おなか側を上にして握り、その上に卵を乗せるというのがなんとなく良いですね!

ボイルする場合はしゃぶしゃぶくらいがおすすめ

ボイルする場合は、あまり火を通しすぎずにしゃぶしゃぶくらいがおすすめです!
エビは兼ねるすることで甘みもうま味も増すのですが、あまり火を通しすぎると食感もかためになり逆に甘みを感じづらくなります。

お祝いの席の料理におすすめ!

トヤマエビ(ボタンエビ)

綺麗な見た目、紅白の模様などが縁起が良いということでお祝いの席などの料理におすすめです!
たとえばお節などにはエビのうま煮を入れるかと思いますが、ちょっと贅沢してボタンエビにしてみるというのも良いですね!

参考文献・参考Webサイト

以下、参考にさせていただきました書籍・Webサイトになります。ありがとうございます!

【書籍】

  • 三宅 貞祥(1982)原色日本大型甲殻類図鑑 1 (保育社の原色図鑑 62)
  • 学研(1995)学研の図鑑 水の生物
  • 峯水 亮(2000)ネイチャーガイド 海の甲殻類
  • 藤原昌高(2013)『からだにおいしい魚の便利帳』高橋書店.

【Webサイト】

ヽ Author ゞ

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おびれ〃

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