スジエビとはどんなエビ?
スジエビとは、テナガエビ科に属する5センチほどの淡水性のエビです。
主に川や池、沼、湖などの淡水域に生息しています。
体色は、生時には無色透明のように見え、水揚げ後は少しピンクがかった色のように見えます。
体には黒褐色の帯が7本ほど入っており、これが「スジエビ」の名前の由来です。
ちなみにスジエビというと海水性の「イソスジエビ」もいます。体長は同じくらいですが、イソスジエビのほうがスジが濃く目立ちます。
琵琶湖のすじえび佃煮とえび豆が有名
滋賀県の琵琶湖ではスジエビがたくさん獲れるため、スジエビと大豆を使った「えび豆」が有名です。スジエビはサクラエビよりも少しヒゲが硬いため、サクラエビのほうが好まれる場合もありますが、それでも琵琶湖周辺ではこのえび豆が人気のお惣菜として多くの食品店に並びます。
えび豆のほかにも、大根と一緒に炊いた「えび大根」などもあります。
釣りエサとして人気
スジエビは、食用として利用される他にも釣りの餌としても重宝されます。ちょうど良いサイズでもあるため、ブラックバスやクロダイ、メバル釣りなどの餌として使われます。
スジエビの特徴
スジエビの体長は、オスが35mmほど、メスが約50mmほどと、メスのほうが大きくなります。
そのため45mm以上であれば、ほとんどメスだと言えます。
近種との見分け方として、スジエビは頭胸甲(頭の部分)側面のスジが、「逆ハの字」のように見えるところや、脚の関節が黄色いところなどが特徴的です。
テナガエビと同じく「川エビ」と呼ばれる淡水のエビ
川エビというと、テナガエビも同じく川エビと呼ばれる淡水エビの代表です。
テナガエビが幼体の時は、スジエビとテナガエビは似ていますが、テナガエビはスジエビよりもかなり大きくなります。また、スジエビはテナガエビのように第2脚(鋏脚)も長くなりません。
テナガエビよりも、ヌマエビのほうが似ている印象です。
スジエビの生態
スジエビは北は北海道、南は屋久島・種子島あたりまでの日本全国の、川や池、沼、湖などの淡水域に生息しています。まれに汽水域にも生息しており、その分布範囲は淡水エビのなかで最も広いと言われています。
スジエビは夜行性で、食性は肉食性が強いです。水生昆虫や小型の甲殻類、貝類、ミミズなどを捕食します。大きな個体はメダカなどの小魚を捕食することもあります。
スジエビの産卵期
スジエビの産卵期は春から秋まで(3〜8月頃)の期間で、特に初夏頃に盛んに産卵を行います。
メスは一回の産卵で50〜250個ほどの卵を産むとされています。
(参考:スジエビ|中国地方整備局)
スジエビの旬
スジエビの旬は地域によって異なりますが、主には1〜3月頃と言われています。
スジエビの食べ方、おすすめの料理・調理方法
スジエビは、小さく殻も柔らかいため、丸ごと調理して食べることができるエビです。
代表的な料理・調理方法としては、唐揚げはもちろん、甘みのある佃煮やえび豆、大根と一緒に炊いたえび大根があります。サイズにもよりますが、かき揚げや炒めものに入れたりも良いですね!
ダシを取ることにも使われるため、スープに入れるのもおすすめのエビです!
香ばしさを味わうのであればやはりシンプルに素揚げなどが一番かなと思います。
淡水のエビなため、細菌や寄生虫の危険性があるため、必ずしっかりと加熱した調理方法にしましょう。