ケンサキイカとはどんなイカ?
ケンサキイカは、スルメイカ、ヤリイカなどに続く日本の食卓の代表的なイカになります。
そんなケンサキイカについて深堀りしていきましょう。
ケンサキイカの特徴
ケンサキイカとはヤリイカととても似ている種類のイカになります。
ヤリイカと全く同じような流通方法や食べ方をされるイカですが、うま味成分が他のイカよりも高く、特有の濃厚な甘みと味わいがあります。
そのためヤリイカより美味しいと言われるイカでもあります。
イカの中でもトップクラスのうま味があるイカなのがケンサキイカです。
剣先のような胴体のため、ケンサキイカ(剣先烏賊)と呼ばれる
ヤリイカは、ヤリのように細長いためヤリイカと呼ばれますが、ケンサキイカはそれよりも若干太くて丸みがあるため、「剣先」と言われます。
丸みがあるため「丸イカ(マルイカ)」とも呼ばれる
ヤリイカとの違いとして、胴体が少し丸みを帯びているため「マルイカ」とも呼ばれます。
オスとメスでサイズが違って、メスは小さめですが、オスは大きくなります。
白くなることから「白イカ」とも呼ばれる
ケンサキイカは白いため、白イカと呼ばれることがあります。
生前の通常時は身は透き通る透明ですが、体色変化が激しく状況により大きく色が変わります。
そのため、地域によって「赤イカ」「白イカ」「ベンケイ」など全く別の呼び方がされます。
鮮度が低下してくると必ず白っぽくなってくるので、「白イカ」というほうがイメージ通りです。
アカイカと呼ばれるイカは他にもたくさんいて混同してしまいやすいので注意です。
ケンサキイカの生態
ケンサキイカは日本各地から、伊豆諸島、小笠原諸島、琉球列島、西部太平洋などに分布しているイカになります。主な生息水深は100mほどですが、小型のものなどは表層すれすれで泳いでいることもあります。
ケンサキイカの体長
オスとメスでサイズが異なりますが、平均的なサイズは20〜40cmほどで、オスの大型のものは胴長50cmほどに達することもあります。体長はヤリイカとほぼ同じくらいですが、ケンサキイカのほうがふっくらした体型ですし、腕も長いです。
ケンサキイカの産卵期
ケンサキイカの産卵期は地域差がありますが、主に春から夏頃が産卵期とされています。ヤリイカよりは少し遅いですね。
漁期もこの時期に合わせて行われます。ただ成長段階に合わせて商業利用されるので、小型・中型・大型などと分けられて周年漁獲されています。
ケンサキイカの旬
ケンサキイカの旬は、産卵期と合わせて春から夏頃の一番成長している時期とされています。
ケンサキイカの一生は1年なので、一番サイズが大きくなるのが夏頃になります。
地域によっては初秋頃にもなります。
大きくなってくると、ケンサキイカ特有の濃厚な甘みや旨味を味わいやすくなります。
ただ、イカは魚のように脂がのるということがありません。
イカの身はかなりの低脂質で、身に脂はほとんどありません。
そのため魚のように脂の多さで美味しく感じるということはありませんが、遊離アミノ酸含有量が成長によって変動があり、旨味のグリシン、甘味のプロリン、コクのタウリンなどが旬の時期は多くなります。
しかし、一概に大きければ良いというのものでもなく、刺身で食べるのであれば、ほどよいサイズのほうが歯ごたえや食べやすさなどから良かったりしますし、成長段階に合わせて用途別で漁獲されるので、イカの場合はそこまで旬は気にしなくて良いと思っています。
ケンサキイカの食べ方・おすすめの調理方法
ケンサキイカのおすすめの調理方法は、ヤリイカとほとんど同じです。
ケンサキイカはヤリイカと同じく、スルメイカより柔らかい身なのが特徴です。
ただ、ヤリイカは淡白な味わいなのに対し、ケンサキイカは旨味成分が高く、より強い甘みがあるのが特徴です。この甘みは焼いても残りますし、加熱方法や調理方法によっては甘味がより強調されます。そのため、食味の評価としてはヤリイカよりも高いです。
世の中の評価的には、ケンサキイカ>ヤリイカ>スルメイカみたいなイメージではあります。
そんなケンサキイカの特徴に沿ったおすすめの食べ方を紹介します!
活造りと言えばケンサキイカ!「ケンサキイカの刺身」
活造りの場合、活造りでしか味わえないコリコリとした食感を味わうことができます。
またヤリイカは淡白で上品な甘味ですが、ケンサキイカはねっとりと強い甘味、うま味があります。かつヤリイカよりも日本沿岸では獲れやすいイカです。
活造りにする場合は、ただしくアニサキスを見つけたり処理する技能が必要でもあります。
加熱により甘味が増すからこそ!「ケンサキイカの天ぷら」
加熱しても硬くなりにくいイカですが、当然熱を通しすぎれば硬くなってしまいます。
唐揚げでも良いのですが、やはりケンサキイカやヤリイカは上品な甘味と柔らかさがあるので、繊細な調理方法の「天ぷら」で食べるのがおすすめだと思っています。
唐揚げなら、下味が付いているので揚げすぎてもまだ良いかなという印象がありますが、天ぷらの場合は、塩や天つゆといったシンプルな調味料でのみ食べるのが主なので、揚げすぎというのが厳禁な調理方法でもあります。そんな料理だからこそ是非やってみてほしいです。
シンプルに塩だけで焼いて甘味を堪能!「ケンサキイカの塩焼き」
バターや醤油などで焼いてもバツグンに美味しいのですが、できればイカの中でも随一と言われる甘味、うま味を感じてほしいと思います。そのためにはシンプルな塩焼きがおすすめです!
イカは加熱することで甘味が高まります。
加熱することで、タンパク質とアミノ酸が分離され、味覚に影響を与える遊離アミノ酸が増加するからです。
もちろんバターなどを入れるとそりゃ美味しくなりますが、ケンサキイカ本来の甘味やうま味をシンプルに味わうのであれば塩焼きがおすすめです。
煮ても美味しいのですが、煮ることによってどうしても成分が少し流れでてしまいますし、塩と合わさることで味覚感度として甘味も高まります。咀嚼するごとにイカ本来の甘味が溢れ出てくるので塩焼きがおすすめです。
トマト料理やパスタなど!「ケンサキイカのトマトパスタ」
トマトにはうま味成分であるグルタミン酸が豊富に含まれております。そのためイタリア料理などではトマトは欠かせない食材です。そんなトマト料理と相性が良いのがケンサキイカでもあります。
スルメイカほど硬くないということや、イカの甘味とトマトの酸味の相性が良いです。
トマト料理などに限らず、オリーブオイルやニンニクとの相性が良いので、パスタ料理全般におすすめです。