アサリとはどんな貝?
アサリとは、日本の食卓で最も馴染み深いと言える二枚貝です。
スーパーで買って食べるのはもちろん、潮干狩りなど、子どもでも採集することができる身近な貝ですね。
呼び方も標準和名は「アサリ」で、全国共通で目立った通称などはありませんが、漢字の種類が多く、浅蜊、蜊、蛤仔、鯏、浅利などと書きます。そのため意地悪な漢字クイズなどでよくアサリは出題されるお題です。
アサリの特徴
アサリは平均的には3〜5cmほどで、最大サイズは6cmほどになります。
主な流通するアサリのサイズは3〜4cmほどが多いです。
貝殻の表面には細かい成長肋(成長に伴い残るスジ)と放射肋(殻長から放射状に広がるスジ)があり、触ると少しザラザラとした感触があります。
一つとして同じ柄は無いと言われるほど多様な貝殻
アサリの特徴として注目なのが貝殻の色や模様です。アサリの貝殻の色や模様は一つとして同じものが無いと言われるほど多彩で変化に富んでいます。
産地によって色や模様は異なる
アサリの模様や色については産地によって異なります。
たとえば千葉など東京湾のアサリは色がカラフルな傾向にあり、北海道のアサリは色の多彩さは無いけど殻が厚くて大きいといった特徴があります。
アサリの生態
アサリは、内湾の砂浜や干潟に生息し、砂の中に潜って生活しています。
潜っている時は、水管と呼ばれる管を海中に伸ばして、海水中のプランクトンや有機物、酸素を取り込んで生きています。
砂泥地に生息している貝
アサリの産卵期
アサリの産卵期は地域差がありますが、主には春と秋の2回です。
地域によって産卵時期は異なり、愛知や千葉などでは春秋の年2回ですが、北海道では夏の一度だけ産卵をします。貝類は水温によって産卵するかどうかが決まるのでこのような違いがあります。
(参考:アサリの産卵期)
アサリの旬
アサリの旬は、産卵期前の春から初夏(3月中旬から6月)と、秋(9月から10月)の2回です。産卵期前のアサリは、栄養を蓄えているため、身がぷりっとしてうま味も増しています。
そのためゴールデンウィークなどは潮干狩りのシーズンとして人気で多くの方が砂浜や干潟を訪れます。
アサリの食べ方・調理方法
アサリにはコハク酸という強いうま味成分が豊富に含まれており、さらに大きさや価格も手頃なため、さまざまな料理で活躍します!
代表的な調理方法としては、お味噌汁やお吸い物、酒蒸し、パスタ料理などがあります。
最近では冷凍の剥き身で売られていることも多く、その場合料理の幅がかなり広がるためポテンシャルがかなり高い食材だと言えます。
失敗しないアサリの砂抜き方法
アサリは砂地に生息している貝のため、砂を噛んでいる場合があります。そのため調理前には砂抜き作業を行いましょう。
ちなみに砂抜きを行うのは活きているアサリのみで、死んでいるもの(冷凍も)は砂抜きをする必要がない(できない)です。
そのためアサリを殻ごと使う場合や、新鮮なアサリを調理したい場合は必ず活きているものを選ぶようにしましょう!
以下の写真のように、殻がパカっと開いていて外套膜(貝ヒモ)が閉じておらず、触っても動かないものは確実に死んでいます。元気が良いものは触るとピシッと殻を閉じます。
死んでいるアサリを放置しておくと、どんどんと腐敗して臭くなり、料理自体が臭くなってしまうので、作業中に見かけたら必ず取り出しておくようにしましょう。
産地に合わせた塩分濃度の塩水を作ろう
砂抜き方法ですが、産地の塩分濃度と合わせた塩水を作ります。
基本は3%程度ですが、産地が汽水域だったりすると通常よりの海水より塩分濃度が低く、砂を上手く吐いてくれない場合があります。そのため面倒ですが確認してみると確実です。
3%の塩水の作り方は有名な方法で「500mlの水に対し、ペットボトルのキャップ2杯の塩を入れる」というやり方が簡単です。(参考:あさりの砂ぬきをペットボトル1本で海水塩分濃度3%の作り方)
塩水を作ったらアサリを入れて、暗く静かな場所で数時間置いておきます。
温度も大切
置いておく時も産地の温度と大きく温度差があると砂を吐いてくれません。
たとえば夏場で室温があまりにも高い場合は冷蔵庫に入れるなどして、温度を調整してみましょう!逆に寒すぎてもダメな場合もあるので気をつけてください。
アサリのおすすめの料理
それではアサリのおすすめ料理を見ていきましょう!
簡単で最高に美味い!「アサリの酒蒸し」
個人的に一番すきなアサリ料理は、シンプルなアサリの酒蒸しです。酒と少しの醤油だけでも良いですし、バターを入れても、白ワインとニンニクで洋風にしても最高に美味しいです!残った汁はそのまま飲んでもいいですし、パンに付けたり、後からパスタでも美味しいです。
定番で美味しい!「アサリのお味噌汁」
子どもの頃、シジミの味噌汁よりアサリの味噌汁のほうが好きでした。
理由は簡単で、身が大きいから笑
アサリはシジミに負けずの濃厚な出汁がでるので、お味噌汁がとっても美味しいです!
汁物だけじゃない!お米一粒一粒が美味い!「深川めし」
アサリと言えば、駅弁としても売られている「深川めし」が人気です!
作り方としては、炊き込みご飯の要領で、一緒に炊き込む方法と、アサリのむき身、人参、ごぼう、油揚げなどの具材を酒・醤油で炒め煮にし、その煮汁と水でお米を炊いて、煮た具材を上からかけるという作り方があります。
アサリじゃなきゃ作れない料理「ボンゴレビアンコ」
ボンゴレビアンコというのは、白ワインを使ったアサリの酒蒸しにパスタを絡めた料理です。
ボンゴレというのがアサリのことで、ビアンコが白(白ワイン)のことです。ボンゴレロッソというものも有り、この場合は赤(トマト)になります。
パパは酒蒸しが食べたい、ママはパスタが食べたい、など意見が分かれた時でも両方に対応できるメニューですよね笑
寒い冬に温まる!「アサリのクラムチャウダー」
クラムチャウダーとは、クラム(二枚貝)をチャウダー(野菜などたくさんの具材で煮込むスープ)という料理です。アメリカなどではホンビノス貝を使うことが多いですが、日本ではアサリがメジャーです。
アサリの出汁が無いと作れない!「白身魚とアサリのアクアパッツァ」
アクアパッツァも酒蒸しの要領で作る料理ですが、アサリを入れるか入れないかでかなり味が変わります。欠かせないのはアサリと白ワインとニンニクです。正直メインのお魚は白身魚であればなんでも良いですが、アサリと白ワインとニンニクは外せません。アサリではなくてハマグリでも良いかもしれませんが高いですよね。。