TOP / 魚を知る / 甲殻類 / セミエビ / ゾウリエビ

ゾウリエビ/草履海老

草履やスリッパのように平べったい希少で美味しいエビ!

\ | /
お気に入り
ゾウリエビの見た目の特徴
長押しで拡大写真をマウスオーバーで拡大
主な旬
冬〜春
全長
1520cm
身質
その他
漁期
104
人気度
人による
味の評価
とても美味!
希少性
超珍しい!!
重要度
…あまり
旬の時期
食味の良さ
産卵期
漁期
1/30
※各情報は平均的な指標であり、地域や個体によって異なります。
静岡県 三重県 高知県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県

ゾウリエビの名産地

多く出荷・流通している産地。または主な漁獲可能な産地。

ゾウリエビの基本情報
分類
外国名 Japanese mitten lobster
学名 Parribacus japonicus
地域名 セッタエビ、クツエビ、ワラジ、ゾウリ、タビエビ、テゴサ、テゴシャ
分布と生息域
に分布。
主な生息水深はあたりの
に生息。
漁法

ヽ Author ゞ

おびれ〃のプロフィール写真

おびれ〃

元魚屋・海鮮居酒屋店主。調理師です。当サイト制作者で管理人です。
お魚の情報を収集しています。
釣りは初心者です。

シェアする

ゾウリエビ【草履海老】は、草履やスリッパのように平べったい体型をしている希少で美味しいエビです。そんなゾウリエビの特徴や生態、旬の時期や食べ方・おすすめの料理などをご紹介します!

ゾウリエビとはどんなエビ?

ゾウリエビ

ゾウリエビとは、体長15センチほどのセミエビ科に属するエビです。
近種にセミエビとウチワエビがいますが、その中間に位置するようなエビです。

名前のとおり、草履ぞうりに似ている扁平へんぺい(平べったい)体形が特徴的です。英名でも「スリッパ・ロブスター(slipper lobster)」とそのまんまの呼び名で呼ばれます。

数は少なくセミエビと同じく希少なエビで、専用漁業は無く、主にイセエビやサザエを狙った刺し網漁などで混獲されます。

ゾウリエビの特徴

ゾウリエビ
草履みたいなエビ

体長は約15センチほどで、最大19、20センチほどになります。成長サイズはセミエビよりは小さめです。
体表はセミエビと同じく顆粒状の細かな突起と短毛に覆われています。

名前の通りに草履に似ていて平べったく、縁のギザギザがより一層草履を想起させます。
頭胸甲の縁にはギザギザと8つのトゲがあり、第2、第3のトゲの間に深い切れ込みがあります。
第2〜第5腹節の側甲はするどく尖っています。

セミエビとウチワエビの中間のようなエビ

ゾウリエビ
側面はギザギザ、体表はザラザラ

生物的にはセミエビとウチワエビの中間に位置するようなエビです。

セミエビ
セミエビ
その姿は木にとまる蝉のよう!温かい海にいる大型のエビ

セミエビは頭胸甲や腹節側甲に目立った大きなギザギザ(トゲ)はありませんが、ウチワエビは頭胸甲側面がまるでノコギリのようでギザギザが目立ちますよね。この点ではウチワエビと似ています。
一方ウチワエビは体表がツルツルですが、セミエビとゾウリエビは体表にツブツブや毛が生えていてザラザラしています。この点ではセミエビに似ています。

つまりちょうどセミエビとウチワエビの中間のようなイメージなのがゾウリエビです。

ゾウリエビの生態

ゾウリエビ
岩礁域に潜むゾウリエビ

ゾウリエビは、房総半島以南から台湾までの水深30メートル以浅の岩礁域やサンゴ礁帯に生息しています。セミエビと同じく温暖な海域に生息しています。
昼間は岩の隙間に隠れて潜み、夜になると活動を始めます。

ゾウリエビの産卵期

ゾウリエビ
寄り添うゾウリエビはまるで一足の草履のよう

ゾウリエビの産卵期は、はっきりとはよく分かっていないようですが、近種であるセミエビやイセエビなどが5月から9月頃とされているため、同じくこの時期だと言われています。
産卵期にはメスはオレンジ色の卵を腹部に抱え、卵が孵化するまで守ります。

(参考:一足の草履|城崎マリンワールド 水族館以上、であること。|城崎マリンワールド繫殖コーナー #32 ゾウリエビ編 _ ブルーコーナージャパン

ゾウリエビの旬

ゾウリエビ

ゾウリエビの旬は明確には分かっていないようですが、一説にはセミエビやイセエビと同じく、晩秋から初春にかけてで、主に冬の時期と言われています。

冬〜春までの時期が産卵期前となるため、身に厚みがあり、甘みが強くなると言われています。

ゾウリエビの食べ方・おすすめの料理・調理方法

ゾウリエビのお造り
ゾウリエビのお造り

ゾウリエビは希少なエビなため、あまり流通することはありません。
身もそこまで多いわけではないので、食べるとしたらやはりお刺身やボイルなどが適していると思います。希少な魚介は生食できるなら、やはり生で食べたいですよね!

ボイルする時は、軽くさっと塩ゆでするとプリっと生のときよりも甘みが強くなっておいしいです!

ゾウリエビ

殻はセミエビほど厚く硬くない印象ですが、それでも殻を剥く時や割ったりする時は注意が必要です。

正中線で真っ二つにするのも良いですが、難しい場合はお腹側に包丁を入れて観音開きにする方法がおすすめです。
開いたらあとはグリルや塩焼き、バターソテーなんかもいいですね!

身が少なめだからこそお味噌汁がおすすめ

身はお刺身で食べるとして、やはり身が少なめだからこそ、頭部も活用してお味噌汁なんかにするのがおすすめです。

参考文献・参考Webサイト

以下、参考にさせていただきました書籍・Webサイトになります。ありがとうございます!

【書籍】

  • 三宅 貞祥(1982)原色日本大型甲殻類図鑑 1 (保育社の原色図鑑 62)
  • 多紀保彦・武田正倫・近江卓(2016)食材魚貝大百科エビ・カニ類①魚類
  • 福田裕(監修),山澤正勝(監修),岡崎惠美子(監修).『全国水産加工品総覧』.日経印刷株式会社,平成17年
  • 峯水 亮(2000)ネイチャーガイド 海の甲殻類
  • 藤原昌高(2013)『からだにおいしい魚の便利帳』高橋書店.

【Webサイト】

ヽ Author ゞ

おびれ〃のプロフィール写真

おびれ〃

元魚屋・海鮮居酒屋店主。調理師です。当サイト制作者で管理人です。
お魚の情報を収集しています。
釣りは初心者です。