イバラモエビ(オニエビ)とはどんなエビ?
イバラモエビとは、モエビ科に属するエビの一種で、モエビ科のなかでは唯一大型になるエビです。
水揚げが少なく貴重でとても美味しいエビ
モエビ科のエビは小型のものが多く食用としては出回りませんが、イバラモエビは20cmほどまで大きくなります。
味もとても良いことから、水揚げがあった時は食用として流通します。ただ、水揚げ量自体が少ないため専門の漁などはなく、ズワイガニなどのカニ漁に混ざったものが流通します。そのためとても高値になり、多くは産地で消費されます。
殻がトゲだらけで硬く、剥きにくいエビです。
オニエビ(鬼海老)と呼ばれる
「イバラ」とは、棘のある木の総称のことで、イバラモエビはトゲがたくさんあるためイバラモエビと名付けられています。
イバラモエビという名前が標準和名ではありますが、一般的には「オニエビ」と呼ばれることが多いです。オニエビという名前の由来も、体にトゲがあり、頭には角が生えていて、まるで鬼の形相のように見えることから鬼海老と呼ばれるようになったとされています。
ゴジラエビとも呼ばれる
頭のトサカなど荒々しい見た目から「ゴジラエビ」とも呼ばれます。迫力ある見た目にぴったりの名前ですね!ほかにも、鳥取などでは春頃に多く漁獲されるということで、五月海老(サツキエビ)と呼ばれます。
イバラモエビ(オニエビ)の特徴
形態や大きさ
体長は平均で105mmほど、大きいものは15cmで、最も大きいものは20cmを超えるとされています。
体色は橙色やピンク色の縞模様をしており、体全体が硬い甲殻で覆われています。
特徴的なのが、体のさまざまなところにあるトゲです。なかでも額角の鋸歯は大きく、トサカのように伸びます。上縁には7歯あり下縁には3歯あります。
腹節の殻にもトゲがあり、これが殻を剥く時にやっかいです。
(参考:イバラモエビ|沖合漁業 沖合底引き網)
イバラモエビ(オニエビ)の生態
イバラモエビの分布
イバラモエビは、鳥取から北海道西部までの日本海側、オホーツク海、ベーリング海、北極海、北太平洋などに分布しています。ズワイガニなどと同じく寒冷域に分布しているエビです。
イバラモエビの生息域
イバラモエビは、水深200〜300mほどの水深の砂泥底に生息するエビです。産卵期になると緑色の卵を抱卵します。
イバラモエビ(オニエビ)の旬
イバラモエビの旬は地域により差がありますが、漁獲量が多くなる春頃(2〜4月)が旬だと言われています。地域によっては初夏あたりがシーズンかもしれません。
旬と言っても、食味的に味の良い時期というのは不明だそうです。主に10月頃からのカニ漁などで一緒に混獲され始め、カニ漁が落ち着いてから多く見かけるようになると言われています。
(参考:イバラモエビ(オニエビ)_鮮魚の産直通販:のん気な魚屋)
イバラモエビ(オニエビ)の食べ方、おすすめの調理方法
イバラモエビは貴重でとても高価なエビです。
そのため、やはりまずは生で食べたいエビだと言えます。殻をむく時に、腹肢部分のトゲがちょうど指に刺さる位置にあるので注意が必要です。
食味としては、深海性のエビですが、身にはしっかりと弾力があって締まっています。そのため新鮮なものはやはりお刺身で食べるのが一番ですね。
ある程度大きく、色も鮮やかで、なによりも頭の部分の迫力がインパクト大なので、お刺身として盛り付ける時は頭の部分も一緒に盛り付けるようにすると良いですね!
またイバラモエビは甘エビなどとは異なり、身がしっかりしているため、焼いても蒸してもとても美味しいエビです。
殻が厚く硬いため、殻ごと焼くことで身の水分を閉じ込めたまま加熱でき、パサパサにならずに濃厚な甘みが堪能できます。
頭の部分の殻は危ないですが、味噌汁などに入れることで濃厚なエビ出汁の味噌汁を味わえます!