ボタンエビとはどんなエビ?
ボタンエビとは、タラバエビ科に分類されるエビで、近種のトヤマエビと同じく「ボタンエビ」と呼ばれるエビです。
ボタンエビであってボタンエビではない?
何を言っているのか分からないと思うかもしれませんが、実は日本国内で流通しているボタンエビと呼ばれる主なエビは本種ではなく「トヤマエビ」というエビになります。
一般的なボタンエビの情報を求めてこのページを訪れた人は、「あれなんか違う?」と勘づかれたかもしれません。以下が世間で「ボタンエビ」と呼ばれているトヤマエビです。
似たような外見をしているトヤマエビとボタンエビですが、よく見てみるとそれぞれ特徴が異なります。
ボタンエビとトヤマエビの違い・見分け方
トヤマエビは頭胸甲などに白い斑紋があったり、腹節甲の部分に朱色の縞模様があります。
しかしボタンエビにはそれら模様がありません。以下がボタンエビです。
近種なので似ていますが、ボタンエビの特徴としては、第1〜5腹節の側面に白く縁取られた赤い不定形の斑紋があります。この斑紋が牡丹の花びらのように見えることから、牡丹海老(ボタンエビ)と名付けられた説があります。
他にも体色が鮮やかに赤く牡丹の色が連想されたことからボタンエビとされた説があります。
ちなみにトヤマエビに関しては、最初に研究採取された場所が富山湾だったため、トヤマエビと名付けられました。
生時や新鮮なものほど赤色・オレンジ色が鮮やかですが、死後時間が経ってくると黄色っぽくなってきます。
日本海には分布しないボタンエビ
おもしろいのが本種のボタンエビは日本海には生息していません。
逆にトヤマエビは日本海に主に生息しています。
似てるんだか似てないんだかよく分からない両者ですが、本種のボタンエビはどんどん数を減らしていると言われ、ほとんど市場に出回ることがありません。
昔は福島の小名浜沖や東京湾、高知県の土佐湾などでも捕れていたようですが、近年では千葉の銚子沖や、静岡の駿河湾、三重の尾鷲沖で獲れるのみで、その数も限定的です。
一方トヤマエビは、北海道を中心にボタンエビよりも数多く獲れ、さらには味が良いということで、ボタンエビはトヤマエビに完全にお株を奪われた形かもしれません…(笑)