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エゾボラ(マツブ)/蝦夷法螺

【通称・別名】つぶ貝

コリコリ食感が美味い!味良し形良しの北海道の貝

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お気に入り
エゾボラ(マツブ・つぶ貝)の見た目の特徴
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主な旬
全長
15cm
身質
その他
漁期
地域差有
人気度
人気!
味の評価
極上の美味!!
希少性
少し珍しい
重要度
普通
旬の時期
食味の良さ
産卵期
漁期
12/4
※各情報は平均的な指標であり、地域や個体によって異なります。
北海道 青森県 岩手県 宮城県

エゾボラ(マツブ)の名産地

多く出荷・流通している産地。または主な漁獲可能な産地。

エゾボラ(マツブ)の基本情報
分類
外国名 Ezo-neptune,Whelk,Winckle
学名 Buccinum undatum
地域名 アブラ、ツブ、ケツブ
分布と生息域
に分布。
主な生息水深はあたりの
に生息。
漁法
寿命 20年
危険性注意マーク 唾液腺にテトラミン毒がある。食べるとめまい、しびれ、酔い、視覚異常が発生する。死亡例はない。

ヽ Author ゞ

おびれ〃のプロフィール写真

おびれ〃

元魚屋・海鮮居酒屋店主。調理師です。当サイト制作者で管理人です。
お魚の情報を収集しています。
釣りは初心者です。

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エゾボラ(マツブ)はコリコリ食感が美味い、味良し形良しの北海道の貝です。そんなエゾボラ(マツブ)の特徴や生態、旬の時期や食べ方・おすすめの料理などをご紹介します!

エゾボラ(マツブ)とはどんな貝?

エゾボラ(マツブ・つぶ貝)

エゾボラ(マツブ)とは、日本では主に北海道(国内の80%以上)で獲られるコリコリ食感がおいしい巻き貝です。北海道で多く獲られるので北海道ツブとも言われます。
殻長かくちょうは平均で15センチほどであり、オスが12〜13センチほどで、メスは15〜16センチほどです。

ツブ貝・ツブとは本種のことを指す

ツブ貝と呼ばれる貝は多くありますが、基本的に「ツブ貝」というのはこのエゾボラ(マツブ)のことを指します。あまりエゾボラと呼ばれることは無く、ツブ貝、マツブ、ツブなどと呼ばれることのほうが多い印象です。ただし、飲食店でつぶ貝の刺身を頼んだ時にエゾボラ以外の貝が出てくることもままあるため、エゾボラが食べたい場合は確認が必要ですね笑

コリコリ食感が美味しく全国で人気が高い貝

エゾボラ(マツブ・つぶ貝)のお刺身
コリコリが美味しい!肝も苦味なく美味しい!

エゾボラの特徴としては何と言っても貝らしいコリコリとした食感です。
水揚げ後も長く生きているため、鮮度劣化の心配が少なく、見た目も良くて味も良いということで全国的に広まりました。
居酒屋や、お寿司屋さんなどでよく提供される貝です。

貝殻の形状が無骨

エゾボラ(マツブ・つぶ貝)
ゴツゴツとした無骨な形状がかっこいい

エゾボラの貝殻の形状は、他の巻き貝と比較すると少し角ばっているのが特徴的です。

特に縫合部(螺層らそうの合わせ目)や、螺肋らろくが角ばっており、縦肋じゅうろくも盛り上がってヒダ状になっているのが本種の特徴です。他の似ている巻き貝とはこれらの点で見分けがつきます。

エゾボラの生態

エゾボラ(マツブ・つぶ貝)
結構長く生きていて丈夫

エゾボラは、主には水深30〜200mくらいの砂泥底に生息しています。
海底の多毛類や有機物、魚の死肉などを筒状の口吻こうふんを使って食べる肉食の貝です。その食性を利用して、エサを入れたカゴを海底に沈めるカゴ漁などで漁獲されます。

エゾボラの産卵期

エゾボラの産卵期は地域差がありますが、主には3月から8月頃とされています。
交尾は2〜5月頃に行われるなど、生殖活動期間が長いです。

オスメス交尾を行って体内受精を行い、海中に産卵します。
産卵後の卵は孵化するまでに一年ほどかかり、幼生時期は無く、孵化する頃にはすでに貝の形をしています。
(参考:エゾボラ Neptunea polycostataの繁殖生態,特に成熟サイズ,生殖周期と性比について|日本水産学会誌

エゾボラの旬

エゾボラ(マツブ・つぶ貝)
北海道でも地域によって水揚げ時期が全く違う

エゾボラの旬ですが、地域差が大きく、一概にいつが旬とは言えない印象です。
同じ北海道内でも、日高地方や稚内わっかないあたりだと4〜9月頃で、十勝あたりだと11月〜4月頃が食べ頃とされています。真逆ですね笑
(参考:魚介・海藻類/稚内観光情報 最北のまち稚内大樹町のお魚カレンダー _ 北海道大樹町公式ホームページ十勝のおさかな – 十勝総合振興局産業振興部水産課

これらは旬というか水揚げ情報でもあり、エゾボラ以外も含みます。水揚げというのは基本的に旬の時期に合わせるものですが、地域によって諸事情はあると思います。

しかし産卵期から考えるとすれば、やはりエゾボラの旬は冬だと言えるでしょう。

あらゆる魚介は生殖活動や産卵を行う前の時期は、たくさんエサを食べて備えます。
しかし、生殖期・繁殖期に入ると途端にエサを食べなくなります。場合によってはほとんど食べません。サケなども産卵のために川を遡上する時は何も食べません。

そのため繁殖期前の時期が一番身に栄養を蓄えていることが多く、体力も損なわれていない状態です。さらには冬の寒さも相まって冬の時期は身が締まります。

エゾボラ(ツブ貝)の食べ方・調理方法

エゾボラ(マツブ・つぶ貝)のお刺身
やはり一番は刺身

エゾボラは活けで流通することが多く、やはりコリコリとした食感が特徴的なため、刺身や寿司として食べるのが一番おすすめの食べ方だと言えます。

もちろん、お刺身以外にもバター焼き、串焼き、その他シーフード料理にしても美味しいですが、これらの調理方法については、エゾボラである必要があまりなく、他の近種のツブ貝などが冷凍で安く流通しているのでそれらを使うのがおすすめです。活けのエゾボラは高いですしね。

エゾボラの唾液腺だえきせんは危険

肉食であるバイ貝やツブ貝には、「唾液腺」というものがあります。人間にもあります笑

唾液腺には捕食した獲物の消化を助ける働きがあります。
この唾液腺には、テトラミンという毒素が含まれていることがあり、エゾボラの唾液腺は有毒として有名です。

ツブ貝をさばくと分かるのですが、白っぽいブヨブヨした脂の塊のようなものがあります。(エゾボラの「アブラ」とも呼ばれます)これを取り除く必要があります。

もし唾液腺をそのまま食べてしまうと、めまい、痺れ、視覚異常などが起きます。
そのため必ず取り除きましょう。

しかし、この毒というのはお酒で酔っ払った感じに似ているということや、死亡例が無いということから、道民の中には気にせず食べるという人も多くいます笑

ツブ貝の殻を壊さずに身を取り出す方法

エゾボラの穴あけ位置の説明写真
ここに穴をあける

ツブ貝を刺身にする時はできれば肝も食べたいですし、何より特徴的な貝を器にしたいということから、貝を壊さずに取り出す手法がおすすめです。

やり方コンテンツをそのうち上げたいのですが、方法を簡単に説明すると写真の位置にキリやアイスピックを使って穴を開けます。殻はそこそこ硬いので、キリやアイスピックの先端を写真の位置に当てたら、出刃包丁などの背の部分でハンマーのように叩いて穴をあけます。
そして内側の殻を擦るようにして貝柱を外したら、サザエの壺抜きのようにクルっと取り外します。
成功すれば肝も含めて綺麗にスポッと抜けます。
失敗すると肝の部分が殻の中に残ってしまったりします。

穴をあけるのは面倒だからとそのまま壊すというお店も多いです。

エゾボラのおすすめの料理

前述したとおり、エゾボラのおすすめはお刺身です。
他の料理にしても十分美味しいですが、高価なエゾボラを使ってまでやる料理という感じはしません。
他のツブ貝で良いでしょう。
しかし、お刺身に関して言えば、他のツブ貝では味わえない美味しさがエゾボラにはあります。
見た目も迫力があっていいですしね。

コリコリ食感がやみつきに!「ツブ貝(エゾボラ)の刺身」

エゾボラ(マツブ・つぶ貝)のお刺身
貝殻を器にしたい場合はこの位置に穴を開けてほじる

ツブ貝の刺身にドハマリするという人を僕は何人も見てきました。
ツブ貝の身を殻から取り出し、唾液腺(アブラ)を取り除いたら塩もみをします。
ある程度ぬめりが取れるまで塩でゴシゴシしましょう。
そうしたら洗って水気を拭き取り、削ぐように薄切りにしていきます。醤油なじみを良くするために波切り(包丁をうねらせながら切る方法)するのもおすすめです。
肝は鮮度が良ければ生で食べられますが、湯通しや煮付けもおすすめです。

刺身が美味いのだから当然寿司もうまい!「ツブ貝(エゾボラ)のお寿司」

エゾボラ(マツブ・つぶ貝)のお寿司
炙りもうまい!

お刺身が美味しいので当然寿司もうまいです!
回転寿司のツブ貝が好きという人も多いですよね。
ちなみに回転寿司のツブ貝もマツブです。エゾボラは高価なので何か似た貝で代用されているのでは?と思うかもしれませんがマツブです。
ただ、多くは輸入の貝の冷凍品で、オホーツク海やベーリング海で獲れたツブ貝になります。

オホーツク海などで取れるツブ貝にはエゾボラ以外にエゾボラモドキという貝が多くあります。それらは流通では区別されずに「マツブ」として流通するので、厳密にはエゾボラでは無いことが多いです。
ただ味は変わらずエゾボラモドキもとっても美味しいです!

参考文献・参考Webサイト

以下は、いつもお世話になっている書籍・Webサイトや、今回参考にさせていただきました書籍・Webサイトになります。ありがとうございます!

【書籍】

  • 荒賀忠一,望月賢二,中坊徹次,小西和人,今井浩次,小西英人著編集(1995)『新さかな大図鑑―釣魚 カラー大全』株式会社週刊釣りサンデー.
  • 小西英人(2018-2021)『釣魚1400種図鑑』株式会社KADOKAWA.
  • 石川皓章著(2010-2019)『海の魚 大図鑑』瀬能宏監修,隔週刊つり情報編集部編,日東書院本社.
  • 『おとな図鑑(2) おいしいお魚百科』藤原昌高監修,ぴあレジャーMOOKS編集部.
  • 藤原昌高(2013)『からだにおいしい魚の便利帳』高橋書店.
  • 学研の図鑑「水の生物(1995)」株式会社学習研究所

【Webサイト】

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おびれ〃

元魚屋・海鮮居酒屋店主。調理師です。当サイト制作者で管理人です。
お魚の情報を収集しています。
釣りは初心者です。