サザエとはどんな貝?
サザエとは、夏のBBQなどでサザエのつぼ焼きが人気の巻貝です。
BBQシーズンや夏場の海水浴場などでは、網の上に置かれて焼かれているサザエの光景が定番ですよね。
サザエの特徴
サザエは、大きいものは10cm以上にもなる比較的大型の巻き貝です。
貝殻は生息地の岩場と同じような色をしており、食べているエサでも変わります。浅場に生息しているため、紫色の石灰藻などが付着していることがあります。
トゲ(ツノ)があるものと無いものがあるのはなぜ?
サザエの殻には、外側に飛び出る角(ツノ)のような突起があるのが特徴です。
しかし、トゲがついているものとついてないものがありますよね。
明確な研究などは無いようですが、太平洋などの外洋の荒海で育ったサザエはツノが長くなり、逆に内海などの穏やかな海域で育ったものはツノがあまり発達しないと言われています。
ただ個体差があるので明確なことはわからないのと、トゲ(ツノ)の有り無しは味には一切関係が無いと言われています。
サザエのトゲの有り無しというのは、昔の人も疑問に思ったようで、「弘法大師がサザエを踏まれてケガをされたので、法力でツノを取ってしまった」という言い伝えまであったくらいです。
ただ、殻にトゲが無いと座りが悪く、網やお皿の上でコロコロと転がってしまうので、トゲありのほうが個人的には好きです笑
市場でもトゲありのほうが見た目が良いということで高値になります。
小さいものは姫サザエと呼ばれる
殻長が5センチほどの小ぶりなサザエは「姫サザエ」と呼ばれます。
サザエに限らず他の貝や魚なども同じですが、大きければ良いというものではありません。
サザエは小ぶりのほうが焼いたり煮たりしやすく、柔らかめで食べやすくて好きだという人も多くいます。と言いますか、サザエはあまりにも大きいと逆に固くて切らないと食べにくいです。
知り合いの塗装業の人は「歯が弱いから大きいサザエは食べられない」と言ってました笑
サザエの生態
サザエは、主に磯場や岩礁域に生息しており、海藻をもしゃもしゃと食べています。
潮の満ち引きがあるような水深が浅くて、日光がよく通り海藻が生い茂っているようなところを好み生息しています。
岩礁域・磯場に生息する貝
サザエの産卵期
サザエの産卵期は地域差がありますが、主には初夏から夏(5〜9月) 頃だとされています。
水温が上がり、海の中が温かくなると産卵活動が始まるため、南日本の暖かい地域は、産卵期が早くきます(4月頃から)。逆に北日本の寒い地域だと産卵時期は8月や9月などと遅くなります。
サザエと言えば肝論争
サザエと言えばつぼ焼きですよね。
つぼ焼きと言えば巻き起こる論争が「肝が好きかどうか」というものです笑
子どもは「苦いから嫌い!」となり、酒呑みのおじさんになると「この苦みが堪らん!」となるわけです。自分も小さい頃は苦手で、お酒を飲む年代になってから好きになりました。ビール好きはサザエの苦みも好きというイメージがあります。
ちなみにこの肝というのはサザエの生殖巣になります。つまりオスであれば精巣、メスであれば卵巣ということです。
サザエのオスの肝はあまり苦くない
サザエのオスの生殖巣はクリーム色です。これはほとんどの生き物に共通していますね。ホタテなどもオスの生殖巣は白黄色です。
面白いのがメスの生殖巣が緑色をしているということです。(色の濃さなどは産卵前と後で変わります)
そしてメスの生殖巣のほうが苦みが強いという特徴があります。
このオス・メスというのはゲーム感覚で楽しむことができます。サザエをクルっと引っこ抜いた時にオスかメスかが分かるので、まるでくじ引きのような感覚になります。
家族でBBQをする時、みんなでサザエを引っこ抜いて、子どもだったら「オスを当てたい!」大人だったら「メスを当てたい!」みたいな感覚で楽しむのも良いのではないでしょうか!
サザエのような巻き貝に貝毒は無い
サザエは丸ごと食べますが「貝毒は大丈夫?」と気になったことがある人もいるのではないでしょうか?(あんまりいないかも)
たとえば、バーベキューでいろんな貝を焼くかと思いますが、ホタテなどの二枚貝の場合、ウロ(中腸線)には貝毒の危険があり、例え加熱しても危険です。
そのためホタテはウロは食べないようにするのが基本ですが、中腸線というものはサザエにもあります。消化器官ですね。
二枚貝というのはこの中腸線に毒素が蓄積される危険性がありますが、アワビやサザエといった巻き貝は、中腸線に毒素が溜まらないため、そのまま食べることができます!
サザエの旬
サザエの旬は産卵期と同じで地域差がありますが、産卵期前の春から初夏(3月〜6月頃) の時期が旬とされます。夏の時期かと思えばそうではありません。
産卵期が初夏から夏なので、その前の時期ですね。
産卵期前というのは産卵に備えてエサをたくさん食べるため身が美味しくなります。
ただ、それでもサザエって夏に食べるイメージがありますよね。
もし産卵活動を終えた後のサザエだった場合は少し身が痩せてしまって食味が落ちてしまっているかもしれません。
そのため「口先だけの人」というのを表すことわざで「夏のサザエは口ばかり」ということわざがあります。殻の大きさは変わらないのに、中身がやせ細ってしまっているからという意味です。
サザエの食べ方・調理方法
サザエの食べ方と言ってもあまり思い浮かばないというのが正直なところです。
理由としてはやっぱり「つぼ焼きがダントツで一番うまい」からだと言えます。
つぼ焼き以外にも、お刺身、バター焼き、炊き込みご飯、丼、アヒージョなどがありますが、それでもやっぱり肝も一緒に楽しめて、引っこ抜くのが楽しく、みんなとワイワイできるつぼ焼きが一番だと思っています。作るのもめちゃくちゃ簡単ですしね。
他の貝のようにさまざまな料理にしようと思っても、サザエには特有の磯臭さがあります。
この香りというのは、実は他の調理方法ではクセが強くてあまり合わないことが多いです。
そのため、つぼ焼きやお刺身など、貝のクセや磯臭さを楽しむような料理が一番だと言えます。
サザエのおすすめの料理
それではサザエのおすすめ料理を見てきましょう!
やっぱりこれが一番!「サザエのつぼ焼き」
つぼ焼きと言っても作り方がいくつかあります。
たとえば
- 醤油・酒を入れてそのまま焼く
- 貝の中の海水のみでそのまま焼く
- 焼く前に殻から身を取り出して煮てから殻に戻す(もしくは切って殻に入れてから煮る)
などなどです。
シンプルに海水だけで焼くというのも美味しいですよね。つぼ焼きをうまく取り出せないという人や、肝は食べたくないという人は、焼く前に取り出して加工してから焼くと良いでしょう。
サザエのつぼ抜きの取り出し方ですが、写真のようなフタと殻の間の位置に竹串を刺します。爪楊枝だと大きいサザエではうまくいきません。
そうしたら右手では串を持って、左では殻を持ち、雑巾を絞るかのように両手首を逆方向にひねってクルッと引き出します。引っ張り出すというより回すだけみたいなイメージです。
フタに関しては加熱すれば取れやすくなります。
サザエのコリコリ感と磯の風味を堪能しよう!「サザエの刺身」
サザエというのはこのオレンジ色の部分が、人間で言えば足裏であり、もっとも筋肉がある部分です。
生の状態だと硬いので、薄めに切り分けましょう!サザエのコリコリ感と磯の風味がたまりません!
お刺身にする時は生きているものを選ぶようにしましょう。
フタの部分を触ってみて、すばやく身が引っ込むものや、ピタッとフタが閉じているものは元気があります。死んでいるものは力が無くなっているのでだらしなくフタが開きっぱなしで、触っても動きません。
たくさんサザエがある場合や大きいサザエの場合は思い切ってどんぶりや炊き込みご飯にしてもいいですね!
炊き込みごはんの場合はほんのり塩を効かせる感じに炊き込みます。これも磯のかおりがたまりません!