モロトゲアカエビ(シマエビ)とはどんなエビ?
モロトゲアカエビ(シマエビ)とは、主に北陸から北海道にかけての日本海沿岸、朝鮮半島東部、サハリンに生息するエビです。
シマエビと呼ばれることがほとんど
標準和名はモロトゲアカエビですが、体に特徴的な縞模様が入っていることから「シマエビ(縞海老)」や「スジエビ」と呼ばれます。主にはシマエビと呼ばれることが多い印象です。標準和名のモロトゲアカエビとはほとんど呼ばれません。
北海道でシマエビと言えば、ホッカイエビ(ホッカイシマエビ)がいますが、ホッカイシマエビは主に道東で獲れるのに対し、モロトゲアカエビは主に北海道の西側で獲れます。
漁獲量が少なく希少なエビ
たまに見かける程度で、主には産地で消費されるのみの希少なエビです。
モロトゲアカエビのみを狙った漁法というのはなく、カニやバイ貝を狙ったカゴ漁や、底引き網で捕れたものが地域的に出回るのみです。
味はタラバエビ科で最上級と言われる
直接食べ比べたことが無いのでなんとも言えないというのが本音ですが、甘エビやトヤマエビ・ボタンエビなどを含むタラバエビ科の中でも最上の味だと評価されるエビです。
入荷も少ないため、高値で高級寿司店などに卸されるエビです。
モロトゲアカエビ(シマエビ)の見た目の特徴
体長は13cmほどで、甘エビよりは大きく、ボタンエビよりは小さいくらいのイメージです。
額角の細かい棘が特徴的なため、諸棘赤海老と
額角は長めで上に反り返り、上縁に20〜27歯の可動棘、下縁に10〜15歯あります。
この上下の棘が目立つことから「双方の」という意味から「諸」という字が当てられ「諸棘赤海老」と名付けられたと言われています。
体や歩脚の縞模様が特徴的なため、縞海老
体全体は生時から赤く、頭胸甲から尾にかけて、白色・ピンク色の縦縞模様が複数はっきりと入っているのが大きな特徴です。生時は歩脚や尾の赤白のストライプも目立ちます。
前述したとおり、この縞模様が特徴的なため、シマエビ・スジエビと呼ばれることが多いです。
モロトゲアカエビ(シマエビ)の生態
モロトゲアカエビ(シマエビ)は、北陸から北海道にかけての日本海沿岸、朝鮮半島東部、サハリンの水深25〜530メートル(平均的には180〜370mほど)の岩礁の礁斜面に生息します。
生息水深が深く数も少ないことからまだ詳しい生態は未知なところが多いエビです。
性転換するエビ
モロトゲアカエビは性転換を行うエビです。
モロトゲアカエビ以外の同じタラバエビ属である甘エビやトヤマエビ、ホッカイシマエビなども性転換を行います。
生まれたモロトゲアカエビはすべてがオスとして成長し、体長が2.5cm〜3.2cmほどまでに成長するとメスに性転換すると言われています。
そのため食用として出回るサイズのものはすべてメスだと言えます。
(参考:性転換するエビ、モロトゲアカエビ | 東京ズーネット)
抱卵数が他のエビよりも少ない
モロトゲアカエビの特徴の一つとして、抱卵数(抱えている卵の数)が1,000粒以下と少ない卵の数だと報告されています。
また卵も青っぽくはなく黄色っぽいのが特徴です。
抱卵数が少ないから、数も少ないのかな。
モロトゲアカエビ(シマエビ)の旬
モロトゲアカエビ(シマエビ)の旬は詳しいことはあまりよく分かっていませんが、主には漁獲される時期でもある秋から初夏までの時期が旬と言われることが多い印象です。
モロトゲアカエビ(シマエビ)の食べ方・おすすめの調理方法
モロトゲアカエビ(シマエビ)は、甘エビより鮮度持ちがよく、サイズも大きめのため甘エビよりぷりっとした弾力があり、歯ごたえがあります。殻を剥くと白い剥き身に赤色の模様が浮き出ていて見た目的にも美しいです。
おすすめはなんと言っても生食
モロトゲアカエビ(シマエビ)は、甘エビやトヤマエビ・ボタンエビと同じく、一番おすすめの食べ方はやはりお刺身やお寿司などの生食だと言えます。
ただでさえ希少で高価なエビでもあるため、産地でたくさん食べれるという人でもない限り、生で食べる以外の選択肢が考えにくいエビでもあります。
生食する際、殻を剥く時は表面の赤い模様が取れないように剥くのが綺麗でおすすめです。