バイ(バイガイ・黒バイ)とはどんな貝?
バイとは、殻長6〜7cmほどになる円錐形の殻を持つ小型の巻き貝です。
昔は「ベーゴマ」の材料として人気であった貝です。
バイというのは「貝」という意味
バイというのは「貝」の発音からきています。
しかしそれだけだと「全部の貝がバイじゃん、、」となってしまうのでバイ貝と呼ばれるようになりました。でもこの呼び名も「貝貝」と言っているようなものですね…
そもそもバイ貝と言っても、「バイ」という貝はたくさんいるためさらにややこしいです。
たとえば「エッチュウバイ」という貝もバイ貝で有名な貝です。そのためエッチュウバイは「白バイ」と呼ばれます。人によってはエゾボラ(マツブ)などもバイガイと呼ぶ人もいます。
そして本種は狭義的な呼び名で「黒バイ」「本バイ」とも呼ばれます。どのような呼び名で扱われるのかはお店次第でもあります。
そもそも昨今は「バイ」だけだとフェミニズムな領域な言葉で使われることが多く、この貝のことをバイと呼ぶ人は少ないと思います。僕は見たことがありません。多いのはやはり「黒バイ貝」かなと感じています。当ページでは間をとってバイガイと呼称していきます。
バイガイ(黒バイ)の生態
バイガイは北海道以南の本州、四国、九州、さらには朝鮮半島や中国沿岸に分布する貝です。
生息水深は20m以浅の浅い海の砂泥底に生息しています。
砂泥地に生息する主な貝
腐肉の匂いに敏感で、海底にある魚の死骸などを食べています。
そのため漁では死肉をカゴに入れておびき寄せて漁獲するカゴ漁が主な漁法です。ただ、たくさん捕れすぎるため、一時期は乱獲で絶滅の危険があったと言われています。
バイガイ(黒バイ)の産卵期
バイガイの産卵期は6月〜8月の夏の時期です。
バイガイは雄雌異体であるため交尾を行い、海底の沈木などに卵嚢を産み付けます。
(参考:バイガイの産卵確認 _ 富山 高岡 ダイビングスクールオーシャン)
バイガイ(黒バイ)の旬
バイガイの旬は地域差が大きく、北日本では7〜10月頃、南日本では3〜7月頃とされています。これは水温の関係で、暖かい地域のほうが産卵期が早いからです。
バイガイ(黒バイ)の食べ方・おすすめの料理
バイガイの料理として最も一番最初に思いつくのは煮貝でしょう。
あまり大きな貝でも無いため、煮る・蒸すとう方法以外にあまり目立った調理方法というのがありません。
バイガイ(黒バイ)の唾液腺はとらなくていい
取ろう!という情報が多くあるのですが、本種には毒がないのでとらなくて大丈夫です。
ネットの情報で困惑するのが、「バイガイ・黒バイ」と説明しながら、調理しているのはエゾボラとかエゾボラモドキ(赤バイ)、エゾバイだったりします。これらの唾液腺は危険なので取る必要があります。
バイガイという呼称は広義的な意味があるので、一概に間違いではないですが、バイガイと呼ばれる貝の中にも毒があるものとないものがあり、本種やエッチュウバイ(白バイ)には毒がありません。
そのためスーパーとかでも煮付けとしてそのまま売られていたりします。
居酒屋など飲食店でも普通に以下のような状態で提供されています。
バイガイ(黒バイ)で過去に中毒症状があったという事例ですが、1965年の静岡沼津の事例で、バイガイを食べて視力減退、瞳孔拡大、言語障害、口乾などの症状があったとのことですが、これの原因物質はプロスルガトキシン、ネオスルガトキシンという「スルガトキシン」という毒です。
この毒は唾液腺にあるものでは無く、中腸線という消化器官にある毒です。
(参考:スルガトキシン – Wikipedia、スルガトキシン中毒|愛知県衛生研究所)
そのため、取るなら唾液腺では無く中腸線を取ったほうが良いということになりますね..!
ただし、食味的には唾液腺(あぶら)は美味しいものではないので、大きい貝の場合(白バイなど)は取れれば取ったほうが良いと思います!