TOP / 魚を知る / 軟体類・貝類 / シジミ / ヤマトシジミ

ヤマトシジミ/大和蜆

【通称・別名】シジミ

肝臓にいい!国内流通しているシジミのほとんどは本種

\ | /
お気に入り
ヤマトシジミ(大和しじみ) の見た目の特徴
長押しで拡大写真をマウスオーバーで拡大
主な旬
68
全長
35cm
身質
その他
漁期
通年
人気度
人気!
味の評価
とても美味!
希少性
たくさんいる
重要度
とても重要!!
旬の時期
食味の良さ
産卵期
漁期
12/22
※各情報は平均的な指標であり、地域や個体によって異なります。
北海道 青森県 茨城県 島根県

ヤマトシジミの名産地

多く出荷・流通している産地。または主な漁獲可能な産地。

ヤマトシジミの基本情報
分類
外国名 Japanese Basket Clam,Shijimi
学名 Corbicula japonica
地域名 ニッポンシジミ、ヒメニッポンシジミ、サドシジミ、センコクシジミ
分布と生息域
に分布。
主な生息水深は
漁法
寿命 10年以上

ヽ Author ゞ

おびれ〃のプロフィール写真

おびれ〃

元魚屋・海鮮居酒屋店主。調理師です。当サイト制作者で管理人です。
お魚の情報を収集しています。
釣りは初心者です。

シェアする

ヤマトシジミ【大和蜆】は、肝臓によく、国内流通しているシジミのほとんどがこのヤマトシジミです。そんなヤマトシジミの特徴や生態、旬の時期や食べ方・おすすめの料理などをご紹介します!

ヤマトシジミとはどんな貝?

ヤマトシジミ(大和しじみ)

ヤマトシジミとは、日本国内で流通するシジミの代表です。

日本には他にもマシジミ、セタシジミがいますが、マシジミは絶滅危惧種で流通しません。(他にも外来種であるタイワンシジミなどもいます)
セタシジミは琵琶湖が名産で流通していますが、全体の流通量からすると国内のシジミのほとんどはヤマトシジミです。

ヤマトシジミの特徴

ヤマトシジミ(大和しじみ)

ヤマトシジミの貝殻は、黒・茶褐色で光沢があり、正三角形に近い形をしています。
若い時は茶褐色であり、成長肋(スジ)も目立ちません。大きくなるにつれてスジが目立ってきて黒っぽくなってきます。殻の内側は淡い紫色をしており、貝類のうま味成分として重要なコハク酸を豊富に含んでいます。

大きさは平均が殻長3cmほどですが、最大で5cmほどにもなります。

肝臓にいい!コハク酸の含有量も多い

ヤマトシジミ(大和しじみ)

シジミというと「肝臓に良い」とうイメージがありますよね。
よく飲み会の〆や、翌朝にはシジミのお味噌汁を飲むと良いと聞くと思います。
これはシジミには肝臓に良いオルニチンやタウリンなどが豊富だからです。

うま味成分のコハク酸が他の貝よりも多い

コハク
琥珀の乾留により見つかったうま味成分

貝類には、うま味を成分として「コハク酸」という強力なうま味を感じる成分があるのですが、この成分はシジミが断トツで高いという特徴があります。

たとえば可食部100gあたりで見た時、ホタテはコハク酸が8mgほどなのに対し、シジミは152mgと約20倍ほど高いコハク酸を含有しています。

(参考:貝類の呈味成分について _ クロマトグラフィーによる有機酸の定量 _ CiNii Research

もちろんうま味というのは他のアミノ酸含有量などにもよるので、一概にコハク酸が多ければ良いというわけではありません。逆に多すぎると渋みを感じるとも言われています。
しかし、シジミというのは小さな身ですが、噛みしめるとじゅわっとうま味が溢れてきますよね。
これこそコハク酸のうま味だと言えます。

ヤマトシジミの生態

宍道湖のシジミ漁

ヤマトシジミは、河口付近や海に近い汽水湖などの砂泥底に生息しています。

汽水域を好むため、塩分が2、3%の水域には生息しないとされます。

ヤマトシジミの名産地

ヤマトシジミは汽水湖でよく取れるため汽水湖がある都道府県が名産地となります。
有名なのは島根県の宍道湖しんじこで、全国のシジミの約4割がこの宍道湖で捕れています。

他にも青森県の十三湖じゅうさんこ小川原湖おがわらこも汽水湖となるためシジミが好む水域です。

関東で言えば茨城県の涸沼ひぬまが有名で、形の良いシジミが獲れることで有名です。

ヤマトシジミの産卵期

ヤマトシジミ(大和しじみ)

ヤマトシジミの主な産卵期は、7月〜9月とされています。
マシジミとは異なりヤマトシジミは雄雌異体で体外受精を行います。多くの二枚貝と同じです。

ヤマトシジミの旬

ヤマトシジミ(大和しじみ)

ヤマトシジミには、夏と冬の年に二回の旬があるとされています。

最も美味しいとされる旬は夏で、6月〜8月の「土用どようシジミ」と呼ばれる時期です。土用のうなぎと同じですね。シジミには体力回復効果が期待できるので、夏バテ防止の意味でもこの時期に食べるのがおすすめとされます。
ちょうど産卵を迎える時期でもあり、産卵を控えているシジミは身が大きくぷりっとしています。

2回目の旬は1月〜2月頃の「寒シジミ」と呼ばれる時期です。
この時期になるとシジミは寒い冬を越すために砂泥底に深く潜り栄養を蓄える傾向にあります。

(参考:宍道湖の冬の味覚「寒シジミ」 _ 海と日本PROJECT in しまね

ヤマトシジミの食べ方・調理方法

ヤマトシジミ(大和しじみ)

シジミというと肝臓に良いということから、お酒の席などでよく提供されます。
また、シジミは身が小さいため、主には汁物など出汁を取る目的の料理が基本となります。

シジミに関しては「身をちまちま食べるのが面倒」、「出汁だけで十分」「人前ですするのが」という人も多くいるようで、なんと5人に一人は身を食べないようです。個人的には少しもったいない印象ですね。
ただ、格式高いマナーの席などで、シジミのお吸い物などが出てきた場合、人前で一つひとつほじくって食べていたら何か思われるかもしれません。僕は食べると思いますが。。

(参考:おみそ汁のしじみ、食べる?食べない? 男女115人に一斉調査! _ 季節の食材のHOW TO _ アマノフーズ公式ブランドサイト

シジミの砂抜き

シジミは当然砂泥地に生息しているため、砂を噛んでいる場合があります。
そのため砂抜きをしましょう。砂は生きている時じゃないと吐いてくれないので活きているシジミを選びましょう。
ヤマトシジミは汽水域に生息しているため、アサリのように海水ではありませんし、マシジミのように淡水でもありません。
そのため0.5%〜1%程度の塩水に3時間ほど入れておき砂を抜きます。
目安としては水1リットルに対し、塩5gくらいです。

ヤマトシジミのおすすめの料理

やはり肝臓をいたわる身にシジミ渡る料理が食べたいです。シジミだけに…

毎日飲みたい!「ヤマトシジミのお味噌汁・お吸い物」

シジミのお味噌汁

シジミのエキスが汁と混ざり合い、肝臓を労ってくれます!疲労回復効果が期待できるため、仕事で頑張っているあなたにおすすめです。

飲み会の〆にもってこい!「シジミラーメン」

飲み会の〆でラーメンを食べる人って多いですよね。
そんな時はシジミラーメンを食べてみましょう!シジミの栄養で二日酔い予防が期待できますし、〆のラーメンも味わえます。

参考文献・参考Webサイト

以下は、いつもお世話になっている書籍・Webサイトや、今回参考にさせていただきました書籍・Webサイトになります。ありがとうございます!

【書籍】

  • 『おとな図鑑(2) おいしいお魚百科』藤原昌高監修,ぴあレジャーMOOKS編集部.
  • 藤原昌高(2013)『からだにおいしい魚の便利帳』高橋書店.
  • 学研の図鑑「水の生物(1995)」株式会社学習研究所
  • 池田 等「貝の図鑑&採集ガイド」

【Webサイト】

ヽ Author ゞ

おびれ〃のプロフィール写真

おびれ〃

元魚屋・海鮮居酒屋店主。調理師です。当サイト制作者で管理人です。
お魚の情報を収集しています。
釣りは初心者です。