サクラエビとはどんなエビ?
サクラエビとは、サクラエビ科に属する深海性の小型エビです。深海性ですが底床に生息しているわけではなく深海域の中層を浮遊する浮遊性のエビです。
ピンクの桜色が綺麗なエビ
サクラエビは透明感のある体に紅色の色素胞が無数に散らばっています。生の状態では透明感があり、釜揚げなどで加熱すると綺麗な桜色になり、まるで桜の花びらのように見えることからサクラエビと呼ばれます。他にも桜の時期に多く獲れることからサクラエビとされたという説もあります。
100%駿河湾産の静岡のエビ
サクラエビの水揚げされる産地は100%が駿河湾です。そのため静岡県・駿河湾を代表する名産品の一つです。
漁期は春漁(4〜6月頃)と秋漁(10〜12月頃)の2回があり、この頃が食べ頃でもあります。
年間7,000トン(約200億匹)が駿河湾で水揚げされます。
桜色のじゅうたんが絶景!富士山を背景に天日干し
サクラエビと言えば天日干しされることでも有名なエビですが、駿河湾と言えば間近に富士山があるため、背景に富士山を眺めながら、一面に桜色の絨毯が敷かれたかのような光景は絶景とされています。同時に桜のシーズンでもあります。
(参考:春と秋の静岡の風物詩「富士山と桜えびの天日干し」)
サクラエビといえば最近は寿司ネタとして回転寿司でも多く見られるものになりましたが、元々は素干しや、シラスなどと同じく釜揚げにされることが多いエビです。
天日干ししたサクラエビは、天ぷらやおひたし、お好み焼き、かき揚げ、サラダなど幅広い料理で活躍します。
サクラエビの特徴
サクラエビの体長は約4cm前後ほどと非常に小さいエビです。メスのほうが少し大きく、メスは37mm〜48mmほど、オスは35mm〜45mmほどです。
体は側扁(左右に平たい)した体型で、額角は短い三角形で上縁に一本のトゲがあります。
全体的にうっすらピンク色をした透明感がある体色で、濃い赤の小さな斑点が散らばっています。
ホタルイカのような発光器がある
深海性の生物に多い特性ですが、体には約160個ほどの発光器を持っていることがサクラエビの特徴です。実際の発光の様子は長年確認されませんでしたが、飼育環境下でサクラエビの発光が確認されました。光る色はホタルイカと同じく、青く発光します。
(参考:謎多き“駿河湾の宝石” 養殖は夢? 実現へ模索|静岡新聞DIGITAL 静岡県のニュース、桜えびのヤマト食品 ブログにようこそ!_ 駿河湾の奇跡「桜えび」その4 ~桜えびの発光器)
シラエビ(シロエビ)と似ていると言われる
実際にはシラエビのほうが大きくて白っぽくて平べったいので、そこまで似ていない印象ですが、同じ小型のエビとして似ているとよく言われます。
サクラエビは100%駿河湾のものが流通するのに対し、シラエビは富山湾が有名ですが、同じく駿河湾でも漁獲されます。他にも相模湾や遠州灘、九州地方と幅広く漁獲されます。
そのためサクラエビのほうが貴重であったのか、シラエビを赤く着色してサクラエビの代用として販売されていたと言われています。
サクラエビの生態
サクラエビは主に水深150m〜300mの深海に生息しています。
日本でもっとも深い海である駿河湾らしいエビですね。昼間は200m以深の深海域で過ごし、夜になると水深50m以浅の表層まで浮上してくる「日周鉛直運動(昼は深海、夜は浅瀬に移動する習性)」を行うのが特徴です。
このような動きを行う魚介は多くおり、主には餌となるプランクトンを捕食するためだと言われています。
サクラエビの産卵期
サクラエビの産卵期は5月末から始まり7月〜8月頃が最盛期となります。
卵は直径0.25mmほどの大きさで数は1700〜2300粒ほどです。
産卵期は11月中旬まで続き、産卵を終えたサクラエビは寿命を迎えます。サクラエビの寿命は15ヶ月とされ約1年ほどです。
産卵した卵は1日ほどで孵化し、秋頃までの数ヶ月で2、3cmほどまで一気に成長します。
駿河湾ではサクラエビの個体数を守るために、主には春漁・秋漁の期間以外は禁漁期間となっています。サクラエビの成熟した個体は頭が黒くなるということで、頭が黒いサクラエビを見かけたら漁を取りやめるなど個体数を守る取り組みが行われています。
(参考:サクラエビの飼育期間世界一(駿河湾深層水の利用)|静岡県公式ホームページ、駿河湾さくらえび|静岡県|全国のプライドフィッシュ|プライドフィッシュ)
サクラエビの旬
サクラエビの旬とされる時期は、春漁の3月下旬〜6月上旬、秋漁の10月下旬〜12月下旬です。
特に桜が咲く時期でも4月頃のサクラエビは、プランクトンなどのエサをたくさん食べて色も鮮やかになり、栄養を蓄えているため甘みが強くて、美味しいとされています。
サクラエビの食べ方、おすすめの料理・調理方法
サクラエビの食べ方としては代表的なものは、お刺身やお寿司、釜揚げ、天ぷら、かき揚げ、干しなどです。
生食は冷凍されているものを買おう!
近年は冷凍技術も流通も発達しているため、全国で生のサクラエビを食べることができますよね。
サクラエビは鮮度が落ちてくると鮮やかな赤色がなくなって白っぽくなります。
他のエビも同じですが、エビは水揚げ後すぐに急速冷凍されるので、冷凍でもとても美味しいものが食べられます。下手に解凍されて時間が経ってしまっているものよりも、冷凍のものを買って食べる直前に解凍するのが一番良い食べ方でもあります。ただ、冷凍されているからと言って傷まないわけではないので、なるべく最近のものが望ましいです。
駿河湾や相模湾名物と言えばシラスも有名ですよね!そのため桜えびと生しらすや釜揚げシラスの丼が人気でまさに駿河湾の味とも言えます。静岡を訪れた人は是非食べてみましょう!
サクラエビと言えば「かき揚げ」と言われるほど、かき揚げがうまい!
生食も美味しいエビではありますが、サクラエビの場合、生よりもかき揚げなどのほうが食味的には評価が高い印象です。そこまで安価なエビでは無いので、サクラエビの量をケチると普通の野菜のかき揚げみたいになってしまうので注意が必要です(…笑)
かき揚げにする時は塩水で洗い、ほどよい塩気を残した状態で揚げるのがおすすめです!
食べるとサクサクとサクラエビの甘みが広がります!
アヒージョがおいしい!サクラエビのアヒージョ
サクラエビを使った洋風な料理といえば、パスタやアヒージョがおすすめです!
春といえば暖かくなってくるためアウトドアシーズンにもなりますし、春野菜が美味しくなる時期です。
そのため春野菜と桜えびでアヒージョを作ったり、パスタを作るのがおすすめです!
アスパラとサクラエビは緑と赤で彩りも良いです。アヒージョではサクラエビのダシがオリーブオイルに染み渡るため、香ばしくて美味しく、ついついバゲットが進んでしまいます!
バゲットは事前に暖めて表面をカリカリ中ふわふわの状態にしておきましょう。
サクラエビやシラスは、ピザが美味しい!
サクラエビやシラスはピザが人気です!
「他の魚介もピザと相性いいでしょ」と思いがちですが、サクラエビやシラスって小さいですよね。そのため小型のピザや薄い生地のピザとの相性がとても良いです。
ご家庭で通常サイズのピザを作るとなるとちょっと大変ですが、餃子の皮などを使った小さなピザを作る際には、普通のエビよりもサクラエビなどのほうがおすすめです!
サクラエビの釜飯、かき揚げ丼が絶品!
サクラエビと言えば、シラスと同じく釜揚げされることで有名です。
(ちなみに釜揚げとは茹で上がったままの状態のことを言います)
釜揚げで大切なポイントは、ほどよい塩気と、サッとふっくら茹であげるという点です。
適度な塩気のサクラエビを生のままご飯と一緒に炊き上げるサクラエビの釜飯は絶品です!
かき揚げは天丼のように丼にしたり、そばなどにトッピングするのも最高ですね!
是非サクラエビを手に入れたら作ってみましょう。