ヤマトシジミとはどんな貝?
ヤマトシジミとは、日本国内で流通するシジミの代表です。
日本には他にもマシジミ、セタシジミがいますが、マシジミは絶滅危惧種で流通しません。(他にも外来種であるタイワンシジミなどもいます)
セタシジミは琵琶湖が名産で流通していますが、全体の流通量からすると国内のシジミのほとんどはヤマトシジミです。
ヤマトシジミの特徴
ヤマトシジミの貝殻は、黒・茶褐色で光沢があり、正三角形に近い形をしています。
若い時は茶褐色であり、成長肋(スジ)も目立ちません。大きくなるにつれてスジが目立ってきて黒っぽくなってきます。殻の内側は淡い紫色をしており、貝類のうま味成分として重要なコハク酸を豊富に含んでいます。
大きさは平均が殻長3cmほどですが、最大で5cmほどにもなります。
肝臓にいい!コハク酸の含有量も多い
シジミというと「肝臓に良い」とうイメージがありますよね。
よく飲み会の〆や、翌朝にはシジミのお味噌汁を飲むと良いと聞くと思います。
これはシジミには肝臓に良いオルニチンやタウリンなどが豊富だからです。
うま味成分のコハク酸が他の貝よりも多い
貝類には、うま味を成分として「コハク酸」という強力なうま味を感じる成分があるのですが、この成分はシジミが断トツで高いという特徴があります。
たとえば可食部100gあたりで見た時、ホタテはコハク酸が8mgほどなのに対し、シジミは152mgと約20倍ほど高いコハク酸を含有しています。
(参考:貝類の呈味成分について _ クロマトグラフィーによる有機酸の定量 _ CiNii Research)
もちろんうま味というのは他のアミノ酸含有量などにもよるので、一概にコハク酸が多ければ良いというわけではありません。逆に多すぎると渋みを感じるとも言われています。
しかし、シジミというのは小さな身ですが、噛みしめるとじゅわっとうま味が溢れてきますよね。
これこそコハク酸のうま味だと言えます。
ヤマトシジミの生態
ヤマトシジミは、河口付近や海に近い汽水湖などの砂泥底に生息しています。
汽水域を好むため、塩分が2、3%の水域には生息しないとされます。
ヤマトシジミの名産地
ヤマトシジミは汽水湖でよく取れるため汽水湖がある都道府県が名産地となります。
有名なのは島根県の宍道湖で、全国のシジミの約4割がこの宍道湖で捕れています。
他にも青森県の十三湖、小川原湖も汽水湖となるためシジミが好む水域です。
関東で言えば茨城県の涸沼が有名で、形の良いシジミが獲れることで有名です。
ヤマトシジミの産卵期
ヤマトシジミの主な産卵期は、7月〜9月とされています。
マシジミとは異なりヤマトシジミは雄雌異体で体外受精を行います。多くの二枚貝と同じです。
ヤマトシジミの旬
ヤマトシジミには、夏と冬の年に二回の旬があるとされています。
最も美味しいとされる旬は夏で、6月〜8月の「土用シジミ」と呼ばれる時期です。土用のうなぎと同じですね。シジミには体力回復効果が期待できるので、夏バテ防止の意味でもこの時期に食べるのがおすすめとされます。
ちょうど産卵を迎える時期でもあり、産卵を控えているシジミは身が大きくぷりっとしています。
2回目の旬は1月〜2月頃の「寒シジミ」と呼ばれる時期です。
この時期になるとシジミは寒い冬を越すために砂泥底に深く潜り栄養を蓄える傾向にあります。
(参考:宍道湖の冬の味覚「寒シジミ」 _ 海と日本PROJECT in しまね)
ヤマトシジミの食べ方・調理方法
シジミというと肝臓に良いということから、お酒の席などでよく提供されます。
また、シジミは身が小さいため、主には汁物など出汁を取る目的の料理が基本となります。
シジミに関しては「身をちまちま食べるのが面倒」、「出汁だけで十分」「人前ですするのが」という人も多くいるようで、なんと5人に一人は身を食べないようです。個人的には少しもったいない印象ですね。
ただ、格式高いマナーの席などで、シジミのお吸い物などが出てきた場合、人前で一つひとつほじくって食べていたら何か思われるかもしれません。僕は食べると思いますが。。
(参考:おみそ汁のしじみ、食べる?食べない? 男女115人に一斉調査! _ 季節の食材のHOW TO _ アマノフーズ公式ブランドサイト)
シジミの砂抜き
シジミは当然砂泥地に生息しているため、砂を噛んでいる場合があります。
そのため砂抜きをしましょう。砂は生きている時じゃないと吐いてくれないので活きているシジミを選びましょう。
ヤマトシジミは汽水域に生息しているため、アサリのように海水ではありませんし、マシジミのように淡水でもありません。
そのため0.5%〜1%程度の塩水に3時間ほど入れておき砂を抜きます。
目安としては水1リットルに対し、塩5gくらいです。
ヤマトシジミのおすすめの料理
やはり肝臓をいたわる身にシジミ渡る料理が食べたいです。シジミだけに…
毎日飲みたい!「ヤマトシジミのお味噌汁・お吸い物」
シジミのエキスが汁と混ざり合い、肝臓を労ってくれます!疲労回復効果が期待できるため、仕事で頑張っているあなたにおすすめです。
飲み会の〆にもってこい!「シジミラーメン」
飲み会の〆でラーメンを食べる人って多いですよね。
そんな時はシジミラーメンを食べてみましょう!シジミの栄養で二日酔い予防が期待できますし、〆のラーメンも味わえます。