アルゼンチンアカエビ(赤エビ)とはどんなエビ?
アルゼンチンアカエビ(赤エビ)とは、南米アルゼンチン近海に生息するエビです。
鮮やかな赤色と大ぶりな身、ぷりぷりとした食感と甘みが特徴です。
アルゼンチンのパタゴニア周辺で大量に漁獲され、安価で食味が良いため、1990年頃から日本に輸入され親しまれています。
アルゼンチンアカエビ(赤エビ)の見た目
アルゼンチンアカエビの体長は15〜20cmほどです。
見た目の特徴と言えばやはり鮮やかな赤色をしているというところですね。
体表に目立った斑紋などの模様は無く、非加熱の状態でも鮮やかな赤色をしているのが特徴のエビです。
全体的に身の部分も多く、大きさからしたらそこまで殻も硬くないため、殻付きで塩焼きで美味しく食べることができます。
日本に刺身用・寿司ネタなどで輸入される
スーパーで見かけたことがある人も多いかと思いますが、大ぶりでお刺身でも食べられ、安価なため人気のあるエビです。
アルゼンチンでは、大型のトロール船で漁獲後すぐに船上でマイナス20℃以下で急速冷凍されるため、お刺身でも食べられる鮮度で日本国内に輸入されます。
以前は回転寿司でボタンエビとして扱われていました。しかしトヤマエビ・ボタンエビとは全く科も違い誤表記となるため現在はボタンエビとは呼ばれていません。
現在では「赤エビ」として広く普及しているエビです。
実はアカエビという標準和名のエビは別にいるのですが、アルゼンチンアカエビが広く普及したため、どちらかというとアルゼンチンアカエビのことを「アカエビ」と呼ぶことのほうが多いです。
呼び方は同じ「アカエビ」でも、全く異なる種のエビなので、混同に気をつけましょう。
エビにはアスタキサンチンがたくさん含まれている
アスタキサンチンと言えばエビやカニでお馴染みの赤い色素で、β-カロテンと同じカロテノイドの一種です。
アスタキサンチンの効果効能
アスタキサンチンには老化予防となる高い抗酸化作用があり、眼精疲労の軽減、保湿・皮膚弾力の維持サポート、筋疲労、脂肪燃焼の増加、血流改善、中性脂肪の低下、脳の認知機能向上サポートなど、様々な健康効果があることから、今では多くの健康食品・サプリメントに活用されています。
(参考:アスタキサンチンの魅力 _ ライフサイエンス事業 _ 富士化学工業株式会社)
赤いだけでアスタキサンチンが多いというわけでもありませんが、アルゼンチンアカエビは、アスタキサンチンの含有量が、ブラックタイガーの約2倍、バナメイエビの約3倍含まれていると言われています。
アスタキサンチンは殻や尻尾に多く含まれているから、健康効果を狙う人は殻も食べるようにするといいね!
アルゼンチンアカエビ(赤エビ)の生態
アルゼンチンアカエビは、南アメリカ大陸南東部の南大西洋沿岸、アルゼンチンのパタゴニア地域に広く分布しています。
生息水深は100m以浅の浅海で、砂泥底に生息しています。
成長がとても早く、1年ほどで漁獲・流通サイズに成長し、大きな群れを作る習性があることからたくさん漁獲が可能なため、日本にも比較的安価で輸入されます。
アルゼンチンアカエビ(赤エビ)の旬
アルゼンチンアカエビは、日本には生息しておらず、すべてが冷凍輸入ものとなるため、決まった旬という考え方はありません。美味しいかどうかはアルゼンチンの漁業者に委ねるしかありません(…笑)
ただし、パタゴニアでの漁では、6月からアルゼンチンアカエビの漁獲が始まり、10月頃に漁期が終了するということなので、この時期が旬だと考えられます。
アルゼンチンアカエビ(赤エビ)の食べ方・調理方法
アルゼンチンアカエビの大きな特徴としては以下のポイントがあります。
- 生食ができる
- 比較的大きめのエビ
- 殻が同サイズの他のエビより比較的柔らかい
- 鮮やかな赤い体色
これらのポイントを活かした調理方法がおすすめです。
特に生食に関しては、このサイズで国産天然のエビのお刺身やお寿司を食べようとすればアルゼンチンアカエビの何倍も値段が高くなります。
安価で美味しいエビのお刺身やお寿司を食べたいのであればアルゼンチンアカエビがおすすめです!
前述のとおり、殻が薄く柔らかめで、アスタキサンチンが豊富に含まれているということから、殻ごと食べる塩焼きなどがおすすめです!
もし同じサイズのエビで殻ごと塩焼きにするなら、ブラックタイガーやクマエビなどが候補になるかと思いますが、それらよりも安価で入手もしやすいです。
頭の部分は食べないにしても濃厚な旨味が詰まっているので、味噌汁や炒めて出汁にするなど、捨てるところがありません!
頭を取って調理する時のポイント
頭だけ外して唐揚げや素揚げにしても良いのですが、綺麗に頭の殻の部分のみを取ってそのまま素揚げにすると甲の中の味噌が揚げ油に流出してしまい、大切な味噌が無くなり、さらには油が臭くなって再利用が難しくなることがあります。
そのため頭を取って頭も調理するときは、少し身を頭の部分に付けた状態にする、もしくは衣などでエビの味噌が流出しないようにする、といった工夫がポイントとなります。
頭は食べない場合や、崩して出汁にする、味噌汁にするなどの場合は、綺麗に甲の部分だけ取ってしまって大丈夫です。