黒潮とはどのようなものかご存知でしょうか。日本に流れ、多くの命を育む世界最大の海流について解説していきたいと思います。 黒潮とは? 黒潮とは、日本の南岸を沿って北太平洋を還流する世界最大の海流の一つです。別名「日本海流」 […]
黒潮とはどのようなものかご存知でしょうか。日本に流れ、多くの命を育む世界最大の海流について解説していきたいと思います。
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黒潮とは?
黒潮とは、日本の南岸を沿って北太平洋を還流する世界最大の海流の一つです。別名「日本海流」とも言います。
日本には主に4つの大きな海流が流れており、その中でも最も大きい海流がフィリピン周辺から流れてくる暖流「黒潮」です。
黒潮は、赤道付近フィリピン諸島の東側に吹き付けるハワイ方面からの強風によって発生します。
その東風がフィリピン諸島にぶつかり、地球の自転の力が加わることで北へ流れる海流となります。
赤道付近の水を一点に集め、東シナ海へと流れ、トカラ海峡を渡り太平洋側に流れ日本列島に沿って北上します。
北上した黒潮は東北三陸沖で親潮とぶつかります。(海流がぶつかる場所を「潮目」と言います。)
なぜ黒潮というのか?
黒潮は日本の海の生命の源となる源流ですが、実は魚の餌となるプランクトンが少ないのです。そのためにごりが無く透明度が高いため青黒く見えます。そのため黒潮と呼ばれています。
黒潮がもたらす日本の魚への影響
黒潮は日本の海へどのような影響を与えているのでしょうか?
同じ黒潮でも発生地帯となるフィリピン諸島ではプランクトンが少ないため、フィリピン諸島で捕れる魚は比較的脂が少なく小型です。
なぜ日本が世界一豊かな漁場と言われるのか?
元々プランクトンが少ない黒潮ですが、北上し日本に流れるにあたってプランクトンが豊富な海流へと変化していきます。
その理由として、黒潮の流れによって発生する渦を巻く海流の存在があります。
北上した黒潮は屋久島付近の地形に挟まれ、勢いよく太平洋側へと流れます。深さ5,000m以上となる琉球海溝に流れ込むのです。
これにより大小様々な渦が無数に発生し、海中深くにある栄養分豊富な生き物の死骸などが巻き上げられます。そこから植物プランクトンが活発的に光合成を行い爆発的に増殖するのです。
渦によって発生したプランクトンを求め、多くの魚が餌を求め日本列島を北上します。
その最も栄養が集まる場所が、親潮(千島海流)とぶつかり潮目となる三陸沖になります。
黒潮大蛇行とは
黒潮大蛇行とは、日本列島に沿って流れる黒潮が紀伊半島沖から南へと大きく迂回する現象のことを言います。
黒潮大蛇行は高気圧、低気圧による渦の発生具合により起こると言われています。詳細な発生理由はまだ明らかになっていません。一度はじまると短くても一年ほど続きます。
黒潮大蛇行が与える影響
黒潮大蛇行は関東の気温に影響を与えると言われています。
黒潮が蛇行することにより、枝分かれした海流が沿岸まで流れ大量の水蒸気を生み、それが季節風に乗って関東に流れ込むためと考えられています。
当然海流が変わるので漁業への影響もあります。
黒潮大蛇行が発生した場合、関東・東海では通常より潮位が上昇します。さらに沿岸での海水温が上昇するため、回遊魚の動きが変わってしまいます。沿岸付近では釣りも難しくなるケースもあります。
漁業では黒潮の動きに合わせて漁を行う必要があります。
黒潮を回遊する主な魚
マグロ
カツオ